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2019.05.30 (Thu)

放送法の一部を改正する法律案 NHK改革がやっと始まった?

NHKのネット常時同時配信に係わる、放送法の一部を改正する法律案が参議院で可決成立した。



当事者であるNHKはかく報道した。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190529/k10011933521000.html

改正放送法が成立 NHKテレビ放送 ネット常時同時配信可能に

2019年5月29日 12時31分

NHKのテレビ放送のインターネットへの常時同時配信を認める改正放送法が、参議院本会議で自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決・成立しました。

放送と通信の融合などテレビを視聴する環境の変化に対応するため、NHKのテレビ放送のインターネットへの常時同時配信を新たに認める放送法改正案は参議院本会議で採決が行われ、自民党や立憲民主党などの賛成多数で可決され、成立しました。

改正放送法ではこのほか、NHKが策定するインターネット活用業務の内容を規定した「実施基準」は総務大臣が受信料制度の趣旨に照らして適切かどうかを審査したうえで認可するとしています。

また、毎年度策定するインターネット活用業務の「実施計画」の届け出と公表を義務付けることなども定められています。

さらに、NHKグループの適正な経営を確保するため情報公開による透明性の確保や、監査委員会のチェック機能の強化など、コンプライアンスに関する制度を充実させることなども盛り込まれています。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




国会審議された法律案について、一読しておきたい。

―― 参考情報 ――――――――――

放送法の一部を改正する法律案  提出法律案
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980361980.pdf

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提出法律案の末尾にて、理由と書いてある一文を見つけた。これは、稟議書の提案理由に相当する文章である。

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http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980361980.pdf

理由

近年における放送をめぐる視聴環境の変化及び日本放送協会に対する信頼確保の必要性に鑑み、日本放送協会について電気通信回線を通じて放送番組等を提供する業務の対象を拡大するとともに、経営委員会が議決すべき日本放送協会及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制の整備に関する事項を具体的に規定する等の措置を講ずるほか、衛星基幹放送の業務の認定要件を追加する措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

全般一読した印象であるが、業務拡大は認めるが、役員の責任明確化、監査委員の権限強化、許認可権限の強化を意図した法律案と読める。



以下詳細。

子会社管理体制強化に係わる条項が追加となった。子会社の役員の責任が明確化され、今までのようなぬるま湯ではなくなるということ。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980361980.pdf

「集団における」を「集団の」に改め、同号ハ(6)に次のように加える。(i)当該子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人である場合にあつては、その職務を行うべき者)又はこれらに準ずる者(ii)及び(iv)において「取締役等」という。)及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(ii)当該子会社の取締役等の職務の執行に関する事項の協会への報告に関する体制(iii)当該子会社の損失の危険の管理に関する体制(iv)当該子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



監査委員の監査権限も強化された。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980361980.pdf

3監査委員は、第四十五条の規定により経営委員会に報告しなければならないと認めるときは、経営委員会を招集することができる。第四十三条の見出し中「権限」を「権限等」に改め、同条に次の一項を加える。2監査委員がその職務の執行について協会に対して次に掲げる請求をしたときは、協会は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。一費用の前払の請求二支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求三負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあつては、相
当の担保の提供)の請求第四十六条の次に次の一条を加える。(協会と役員との間の訴えにおける協会の代表等)

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



役員の忠実義務が追加されたことは興味深い。忠実義務違反という理由で、役員に対する損害賠償責任を課したり、役員解任も可能と読めそうだ。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980361980.pdf

第六十条の次に次の一条を加える。
(忠実義務)第六十条の二役員は、法令及び定款並びに経営委員会の議決を遵守し、協会のため忠実にその職務を行わなければならない。第七十条第一項中「作成し」の下に「、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え」を加え、同条第二項中「付し」を「付すとともに同項の中期経営計画を添え」に改める。第七十一条の次に次の一条を加える。(中期経営計画)第七十一条の二協会は、三年以上五年以下の期間ごとに、協会の経営に関する計画(次項において「中期経営計画」という。)を定め、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。2中期経営計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。一中期経営計画の期間(前項の期間の範囲内で経営委員会が定める期間をいう。)二協会の経営に関する基本的な方向三協会が行う業務の種類及び内容四協会の業務並びに協会及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制に関する事項五受信料の体系及び水準に関する事項その他受信料に関する事項六収支の見通し七その他協会の経営に関する重要事項第三章第九節中第八十五条の前に次の一条を加える。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

国会で国会議員の質問に答えない場合は、役員の忠実義務違反を問えることになるのではないか?


―― 参考情報 ――――――――――

【三宅博】12.3衆議院総務委員会 NHKは解体するしかない、それが日本のためである[桜H25/12/4]
https://www.youtube.com/watch?v=TRpZhKZZ0Y0

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さらに、情報公開に係わる条項も追加となった。都合が悪い情報隠蔽はできなくなったことを意味する。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/198/pdf/t0801980361980.pdf

(情報提供等)第八十四条の二協会は、総務省令で定めるところにより、その保有する次に掲げる情報
であつて総務省令で定めるものを記録した文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を作成し、適時に、かつ、一般にとつて利用しやすい方法により提供するものとする。一協会の組織、業務及び財務に関する基礎的な情報二協会の組織、業務及び財務についての評価及び監査に関する情報三協会の出資又は拠出に係る法人その他の総務省令で定める法人に関する基礎的な情報2前項に定めるもののほか、協会は、その諸活動についての一般の理解を深めるため、その保有する情報の公開に関する施策の充実に努めるものとする。第八十八条中「第九十三条第一項第六号」を「第九十三条第一項第七号」に改める。第九十三条第一項中第六号を第七号とし、第五号を第六号とし、第四号を第五号とし、第三号の次に次の一号を加える。四衛星基幹放送の業務を行おうとする場合にあつては、当該衛星基幹放送において使用する周波数が衛星基幹放送に関する技術の発達及び普及状況を勘案して総務省令で定める衛星基幹放送に係る周波数の使用に関する基準に適合すること。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




要するに、ネット常時同時放送容認と交換条件で
・子会社管理体制強化
・監査委員の監査権限強化
・役員の忠実義務追加
・情報公開拡大
が盛り込まれたということである。

簡単に書くと、NHKの役員全員、経営上の(損害賠償)責任を負う法律に変わったということである。

―― 参考情報 ――――――――――

取締役の善管注意義務
https://akatsuka-law.jp/column/director-duty-of-care.html

取締役の善管注意義務の概要
http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/kaishahou/index/torisimariyaku_zenkan/

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解釈的には、放送法違反の放送内容であることが指摘された場合、その番組の放送責任は、番組責任者であるデイレクターだけでなく、担当役員が負うことになったはずである。
従って、今回の放送法改正案はNHK改革に向けた最初の一手と位置付けられるのである。総務省においては行政指導できる法的根拠、保守系団体は裁判で勝訴できそうな法的根拠を得た可能性はあるということ。

ただし、偏向捏造テクニックが以前よりも複雑怪奇化していると捉えると、当該役員の監督責任を問う視聴者側の不断の組織的活動が必要不可欠であることは言うまでもない。



以上
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