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2019.03.20 (Wed)

北方領土返還交渉の前提条件

多くの日本人は、交渉すれば北方領土は返還されるだろうと信じている。
しかし、軍事史的視点で見た場合、その考えは妥当なのか?

私は、兵頭二十八の『「新しい戦争」を日本はどう生き抜くか』を読んでいくうちに、戦後の対ロシア外交について、大きな勘違いが日本側に発生しているという気になった。


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192~194頁

ロシアとの関係を日本人はどう考えるべきなのでしょうか?

政治力で比較すると、ロシアは今なお米国に次ぎ、EUと並ぶ地位を保持している。

しょせんは島国である日本人は、このロシアを相手の外交で、肚芸のできるような国ではない。ブラフをかまさず、最初から「落し所」を提示し、相手が乗って来なければ、いつまででも遠ざかったいる。これが日本にできる最良の外交である。

北方領土問題に関して日露の「落し所」として適当な線は、日本が択捉島を放棄し、国後・歯舞・色丹の「三島一括返還」で手打ちにすることだろう。しかしその前に、先の大戦の終結経緯を振り返る。

アメリカ政府が、日本海軍の開戦の手口を、先にアメリカとの戦争を決めておいて、外交交渉をその隠れミノに使ったと判断し、それならばこっちも戦いながらの交渉はもうしない、無条件降伏まで戦争を続けるぞーと怒りの決意を表明したのは、表向きの態度として当然であった。それは「自他に対して筋を通す」というナショナル・リーダーの責任だった。

他方また、昭和二○年八月八日のソ連の対日参戦は、明白に、日ソ中立条約違反のオキテ破り行為なのだから、これについいては日本政府は、やはり自他に対して筋を通す必要があったのである。つまり、自分たちは八月八日まではポツダム宣言について検討していたけれども、ソ連が無法に宣戦布告してきた以上、連合国との交渉はもう不可能である。日本は、ソ連の侵略に対しては徹底抗戦する。米英がソ連の無法戦争を容認し荷担し続けるのなら、米英に対しても交戦を続行する他に道はないーと、このように同盟通信の短波放送で声明しなければならなかった。
それができなかった理由は、ずっと前に月刊『諸君!』でも書いたことがあるが、自他に筋を通すことよりも皇室の存続を優先したからだ。「ソ連を刺激してはならぬ」という八月の日本政府の意志は、昭和天皇ご自身から出ている。ソ連も加わったポツダム宣言の後の昭和二○年九月二日に、満州や千島の守備隊にも、敵対行為を止め、武器を置け、という天皇の名による命令が下された。だとすれば、千島列島へのクレームは潔く放棄するしかないのだ。
本来は、ソ連の無法な侵略に対して、満州や樺太や千島の現地部隊が自衛戦闘するのはあたりまえである。政府はソ連の非を鳴らし、現地守備隊の決死敢闘に声援を送らなければいけなかった。そのあたりまえの自衛の遂行を、東京の大本営が正式命令によって禁じている。
この事実がある以上、日本政府が戦後になって「ソ連さんよ、あんたが前に占領した土地の一部を返してくれないか」と要求するのは厚顔である。満州、樺太、千島に関しては、日本政府は、自他に対する筋を通さず、ソ連軍による排他的占有の事実を導き、彼らの実効支配を、自衛戦闘停止命令によって、公式に容認してしまったのだから。
自衛戦闘の末、文字通り玉砕したなら、戦後もクレーム権は残るのだが、「ソ連が違法占領した領土の主権は放棄しない」という政府声明すら適宜のタイミングで出していない。

北方四島だけに限ってみても、当時から連続している正統性ある政府として、誰に恥じることもないクレームの権利というものはもう失われているのだ。現状変更を規定事実として軍隊の命令という行動をもって承認してしまったのだから、あの折、熨斗をつけて差し上げました土地をお返しくださいなんて、後になっていったいどのツラ提げて言えるのだ。

トルーマン政権も、ソ連軍の四島占領を止めようとしなかった。しかも、アメリカは日本に南洋諸島や台湾や朝鮮や満州を放棄させたが、それについて日本政府は何の文句も言っていない。サンフランシスコ条約会議で千島列島を放棄したとき、明示的に北方領土を除外してもいない。つまりはアメリカが四島を放棄させたということでもある。
しかし、戦後の日本政府はアメリカに使嗾されるままに、ソ連に対してだけ、あとから四島の返還を「要求」してしまった。筋が通ていないのだが、しかし、ここから第二の現実問題が生じている。

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竹田恒泰は、講演等で、「終戦時、各地に終戦を徹底させるために皇族を派遣」した事実を語り、皇室皇族は、終戦を主導した平和の使者であるとしたいようだ。
その竹田恒泰は、実父竹田恆和が、JOC会長であるべきことについての必然性について、何度も言及した。(東日本大震災の時期)
これは、IOC関係者たちが、欧州の王侯貴族であることを暗示する。国際機関というのは、ともすれば王侯貴族利権的性格を持った組織であるということ。オリンピック推進組織を維持するというのは、そういうことであることは理解しておかなくてはならない。
その竹田恆和がJOC役員辞任を表明。日産騒動と絡めた動きであり、フランスの検察当局が言及したのは、各国のオリンピック推進組織からの情報であると勘ぐらなくてはならない。

竹田恆和JOC会長が、生前譲位の直前のこの時期に辞任表明するのは、生前譲位と関係あるのだろうか?
また、生前譲位は、今上陛下お一人の事情によるものなのだろうか?


少し脱線してしまった。


兵頭二十八説に従えば、皇室は守られ、存続した。が、北方領土と住民、そして満州に取り残された陸軍関係者は、、、

皇室存続のために、各地に終戦を徹底させるために皇族を派遣し、その一方、領土と住民を守るための当然の権利である、自衛のために抵抗しようとすればできるのに抵抗しない、、、

満州からは陸軍関係者が多数抑留
南樺太や、北方領土は、さしたる軍事的抵抗もなく奪われた
一方で、軍事的抵抗を続ければ続ける程、皇室存続は危うくなる、、、


安倍政権は、なぜかように、プーチンとの首脳会談を繰り返すのか?
領土返還交渉をすればするほど、内閣支持率維持しやすいジンクスでもあるのだろうか?


前稿では、GHQ憲法改正のために、ロシアの暗黙の承認を必要としているという趣旨の事を述べた。

―― 参考情報 ――――――――――

日露交渉を今後も強力に消化しなくてはならない事由について
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-1342.html

―――――――――――――――――

第二次安倍政権は、戦後レジームの完全脱却に向けて、やるべきことを慎重かつ丁寧にやってきた。これ以上政権として為すべきことがあるのだろうか、と思えるほど精緻なレベルで外交交渉しているように見えるのである。

以上

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04:55  |  外交  |  コメント(0)

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