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2018.08.21 (Tue)

戦略をどう構築するか=どう文章化するか

ある分野の専門家が極めてわかりやすく、かつ実践的な手法を説明しているので、その本から引用させていただくこととした。

その本とは、「スポーツ・インテリジェンス」(和久貴洋)である。

用語の定義については、前稿にて説明済みである。

―― 参考情報 ――――――――――

戦略とは何か
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-1086.html

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仕事としてはどんな業務内容になるかと言うと、「スポーツ・インテリジェンス」にはこう書いてある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

スポーツ・インテリジェンス
和久貴洋

198頁
そもそもインテリジェンスとは、さまざまな情報源から点の情報を集め、それらの情報を分析・評価し、統合して、行動や判断に役立つ知識を生成する仕事である。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

では、どんなやり方で文章化していくかと言うと、「スポーツ・インテリジェンス」にはこう書いてある。


||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

スポーツ・インテリジェンス
和久貴洋

67頁
情報の断片からストーリーをつむぎ出す
こうした情報収集を行ううえで私が比重を置いていることは、とにかく今の情報(新鮮な情報)を集めるということである。
言うまでもなく、「今」と「過去」では圧倒的に過去のほうが情報量は多い。過去の積み重ねがあってこそ「今」があるからである。しかし、実際のトップスポーツにおける競争は「今の構造」のなかで、「今の相手」「今のシステム」「今の取り組み」との戦いである。したがって、それを支えるインテリジェンス活動もまた、「競争相手が今、何を考えているか」が重視される。今の動きや取り組みに関する情報は最低限確実に押さえておかなければならない。

68頁
集めた情報は、テーマ別に時系列に沿って並べて整理しておく。そして、ある程度の情報が蓄積したところで、その流れを俯瞰してみる。そうすると、それまで点にすぎなかった別々の情報が、有機的なつながりをもってストーリーとして見えてくることがある。

69頁
蓄積された点と点の情報から関連性を見つけ、一つのストーリーを組み立てる。いったんストーリーができあがれば、最新情報が入ってくるたびに、そのストーリーのなかでどこが変わったかを見ていくだけで、新たな流れをつかむことができる。そして、そこから世界の潮流や競争相手の考えを読み解き、具体的な戦略に落とし込んでいくのである。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

これらを、組織のあるべき姿、長期計画、予算方針、組織・人事制度別に書き換えると、稟議書上の体裁となる。

では、どんな実践例があるのか。以下に紹介する。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

スポーツ・インテリジェンス
和久貴洋

35~38頁
イギリスが危機的状況に陥ったのは、一九九六年のアトランタオリンピック。オーストラリアのようにゼロではなかったものの、イギリスが獲得した金メダルはわずか一個。総合順位で三十六位に転落するという大敗を喫した。これを機に、イギリスは、政策の一環として、トップスポーツの競技力向上に取り組み始めた。そして、二○一二年ロンドンオリンピック招致の成功も相まって、トップスポーツの国際競技力向上が加速的に進んだ。その結果、自国開催のオリンピkックで見事、アメリカ、中国に次いで金メダル獲得順位で世界第三位につける鮮やかな復活を遂げたのである。

「ミッション二○一二の衝撃」
この時、イギリスのUKスポーツが行った改革は。「ミッション二○一二」と呼ばれている。これは各競技団体の組織能力を現世に問うたうえで、その結果に応じて強化資金を投資するというプロジェクトで、二○○六年からスタートした。
具体的には、国際競技力の向上を図るにあたって必要とされる三十項目について、まず各競技団体に現状を自己分析してもらう。三十項目は表Ⅰー4に記した通りである。

戦略の立案力・実行力から始まって、四年(短期)及び八年(長期)でメダルに手が届くポテンシャルのあるアスリートがどの程度いるかという状況、そのためのサポート体制、さらには素質あるアスリートを発掘・育成する体制といった枠組み面のみならず、競技活動を支えるロジステックス(輸送)体制や強化拠点施設を整備する力、テクノロジーを開発する力といった部分まで、チェック項目は広範囲に及んでいる。

次にこれら三十項目の分析結果を受けて、各競技団体は信号機になぞらえてグリーンとイエローとレッドという三段階に色分けされる。グリーンは「十分な組織能力を有している」で、イエローは部分的には能力があるが、改善点もある「要注意」。レッドは非常に組織能力が低い「危険信号」である。

37頁

表Ⅰー4
1.戦略立案
2.パフォーマンスバスウエイ
3.組織実行力
4.パフォーマンス状況(中期)
5.パフォーマンス状況(長期)
6.プログラムのインパクト
7.競技者のコミットメント
8.リーダーシップ
9.勝利行動
10.チーム環境
11.革新性と創造性
12.心理状態の洞察と反応
13.マネジメント体制
14.コーチング
15.競技大会におけるロジステイックス
16.スポーツ医学の戦略的な活用
17.スポーツ科学の戦略的な活用
18.タレント発掘・育成
19.コミュニケーション
20.情報管理
21.競技会の機会
22.競技者支援の個別化
23.競技者の経験の機会
24.競技者のライフスタイル支援
25.ドーピング防止に関する知識と文化
26.施設
27.設備・用具、テクノロジーの活用
28.人材育成
29.資金マネジメント
30.利害関係者との関係構築

このような分析・評価は、各競技団体が作成する強化戦略プランにもとづいて行われる。強化戦略プランにはその年々に達成する目標が記載されており、UKスポーツと競技団体の間で強化戦略プランでの達成目標と投資額を合意する。その後、プラン通りに強化が進捗しているか、設定したマイルストーン(道標)が達成されているかを両者でチェックする。これを四半期に一回ずつ、二○○六年から二○一二年まで行った。
そして、レッドの競技団体については、UKスポーツが直接サポートし、イエローの競技団体についてはグリーンの競技団体をコンビを組ませることで、ノウハウを共有できる体制を整えた。結果としてロンドンオリンピックまでに、レッドの競技団体はなくなったという。
最終的にグリーンとなった競技団体は、陸上競技、競泳、ボート、セーリング、自転車の五競技。これら五競技の競技団体には、UKスポーツが運用する強化資金の半分が投資された。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

事例紹介として秀逸な内容と思う。

この考え方を保守活動に当てはめてみたい。
保守系団体活動の中で成果を出せるポテンシャルを有する団体は限られている。

「放送法遵守を求める視聴者の会」と頑張れ系を比較し、在るべき姿、目標設定、長期計画、年度方針、予算方針、組織・人事など、どの程度の精度で文章化されているか、文章化状態で意思決定されているか比較することが、まず重要である。

成果が出せる組織というものは、総じて、一つ一つのプロセスにおいて文章化されたものが記録として存在し、意思決定もきちんと文章化され(稟議書決裁レベルにあるということ)、自ずと結果がついてくるということなのである。


以上

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テーマ : 日本を正常な国に戻したい - ジャンル : 政治・経済

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