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2018.01.28 (Sun)

安倍政権が主導したTPPは地政学上の大事件?  ポスト安倍に求められる資質

本稿は

地政学が20世紀の戦争に果たしてきた役割と経緯
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-846.html

の続編。

まず、日本の戦後の政治家で地政学の重要性に気づき、地政学に精通している政治家の存在について言及したい。

これまで読んだ地政学の本によると、日本には地政学のセオリーを実践した政治家はいない、という趣旨のことが、書かれている。

が、私は、これまでの分析の結果、一人だけいると思っている。

安倍首相である。

何を根拠にそう判断するのか?

「数々の首脳会談」の実績そして「アメリカ抜きのTPPの実現者」だったからである。

第二次安倍政権発足当初の首脳外交は、中共を包囲するような形で、地政学的な要所を選んで順に行われた。相手国は、モンゴル、ベトナム、インド、トルコだったと記憶する。

それぞれの国に対し、安全保障外交上の取引を相手国に促し、同時に日本からは経済支援面での交換条件を示しつつ協議を進めたと私は認識する。

地政学的に意味ある、なるほどと思われる国を訪問し、なるほどと思われるテーマで相手国と協議したということである。
アメリカとは、在日米軍に依存する見返りとして、アメリカ外交を支援する役割を担っている。現政権は、日米安保にただ乗りしている状態にはないと言いたいのである。

TPPについてはどうだったか。以下に出稿済である。

―― 参考情報 ――――――――――

TPPの行方  英国TPP参加検討の意味
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-810.html

―――――――――――――――――

ただし、この時点では、地政学的な要素を含めていない。

中共との戦争に直面した場合、日本にとってはTPP加盟各国が、補給路を防衛する役割を担うことになることについて言及した関係で、この原稿を書いた時点で地政学的な意味についてもっと強調すべきだった。

TPP参加各国の位置関係を改めて確認すると、地政学的な意味でのシーパワー連合が太平洋を支配強化することになることにお気づきであろうか?


地図を見ていただきたい。

https://www.sekainorekisi.com/%E7%92%B0%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E5%8D%94%E5%AE%9A%E4%BA%A4%E6%B8%89%E5%8F%82%E5%8A%A0%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%9C%B0%E5%9B%B3/

TPP地図


TPPは、域内の貿易拡大を通じて(中共との貿易縮小)、弱体化したアメリカの太平洋の覇権をカバーする機能を担うと推定。
そのTPPにイギリスに参加検討することは、TPPの規模拡大だけでなく、世界的規模でのシーパワー連合結成、すなわち、地政学的な意味でのシーパワーの世界規模での大同団結を意味する。

イギリスがTPPに参加しないTPPでも、TPP参加各国は太平洋をぐるりと囲んでいる。海の要衝、マラッカ海峡も押さえている。

地政学的には、世界の関所のうち、三箇所を押さえている。以下に「悪の論理で世界は動く」(奥山真司)の105頁の画像を転載させていただく。

悪の論理で世界は動く チョークポイント

二つの図から、アメリカの国力低下が指摘される中、TPPはアメリカの覇権を補完する機能を有する、極めて軍事的性格が強いものと地政学的視点から解することができる。

イギリスがTPPに参加するとどうなるか?
もし、日英の軍事協力が進み、英国工場で日本メーカーの戦闘機や護衛艦、潜水艦、空母等の製造が行われたらどうであろうか?
戦争継続能力は飛躍的に高まり、負けない戦争ができる。

こんな強大な外交力、そして地政学的パワーを有する日本と戦争したい国が出現するであろうか?

さらに、イギリスがTPPに参加することで、チョークポイントとしては、マラッカ海峡、パナマ運河、マゼラン海峡の他に、喜望峰、ジブラルタル海峡、イギリス海峡、見方によっては、北極から太平洋に出る海洋も抑えることになる。
海洋支配的には、太平洋はほぼ手中に収め、インド洋、大西洋も半分支配下ということになる。

ひょっとすると、安倍政権が主導したTPPは、イギリスが参加することで、「地政学上の世界史的な大事件」となるのではないか。後世の地政学の専門家たちからそう評価されるのではないかと予想する。

これまでの、日本の地政学の専門家の本を読むと、日本は、地政学の地の字も知らない後進国扱いとなっているように思うが、このTPPを主導しただけで、一躍世界の軍事大国に踊り出る、すなわち、安倍政権におけるTPP主導は、「安全保障外交上の地政学的な大逆転レベルの大事件」と評価できる。

それゆえ、安倍首相の韓国訪問は、一連の安倍外交が放った、地政学的な手腕、大事件の意味、重要性に気づいている仮想敵国にとっては、最後の暗殺のチャンスとなる可能性がある。

と考えると、ポスト安倍の最有力候補は、「地政学的に重要な意味を持つ、地政学史上の大事件という性格を有するTPP」を実現に導いた、甘利さんとなる。

最近更新された甘利議員のHPにて、TPPの調印式が3月8日に予定されていると書かれている。

―― 参考情報 ――――――――――

甘利明 国会レポート
http://amari-akira.com/01_parliament/index.html

―――――――――――――――――

淡々とした書きぶりの中に、次世代のリーダーとしての資質、風格を私は見出す。

ただし、甘利議員が、地政学的なことに気がついてTPP交渉に臨み、上記の原稿でそう書いているかどうかわからない。

が、もし、地政学的な意味を理解したうえで、気づいていて敢えて淡々と書いているとしたら、甘利政権に移行した場合でも、安倍外交以上のしたたかな安全保障外交が期待できるだろう。

甘利議員は、TPPをこう評している。「TPP11が完全合意に至り、3月8日にチリで署名式という段取りが整いました。まさに通商交渉史上に残る快挙です。TPP11はTPP12のほぼ全てを踏襲したもので、将来アメリカが復帰した場合に備えその取り分だけ空けておくというものであり、ルールについてもアメリカの要求で設定した部分はアメリカが参加するまで凍結するという方式ですので、新協定は7つの条文からなる簡単なものです。………………………………一帯一路政策を進める中国は、外国資本が中国国内投資をする際の条件として、技術移転やソフトプログラムのソースコード(設計図面)の開示を要求しています。さらには中国国有企業と競合する外国民間企業とのイコールフッティング(競争条件を同等にする)にも後ろ向きです。サイバーセキュリティ法を盾に外資の電子商取引にサーバーの中国国内設置義務等をかけたり、自由化に様々な制約をかけています。それがアジア全体、中東アフリカに広がっていけば外資は手足を縛られた戦いを余儀なくされます。 TPPは、公正なルールの下に内外のイコールフッティングを図っていく世界最高の公正透明なルールです。今後参加国が増えるにしたがって、日米が作ったルールが世界標準へとなっていきます。 」

当初からTPP絶対反対を表明していた方たちは、ひょっとすると、視点がずれていたかもしれない。
中共は、ここに来て、TPPリスク(TPPによって、中国経済が没落すること)を懸念し始めていると予想。

日本はどうか?TPP発効で、経済的には弱電分野の復活を予想する。(ソニー、パナソニック等)ソニーの株価は復活を予言し始めている。

アイワブランド復活はそのシグナルとの見方ができよう。

―― 参考情報 ――――――――――

「アイワ」約10年ぶり復活 昨年末からラジカセ、液晶テレビなど順次発売 海外展開、白物家電も視野
http://www.sankei.com/economy/news/180128/ecn1801280008-n1.html

―――――――――――――――――

もちろん、私としては、暗殺リスクがあると考えるので、安倍首相を訪韓させたくない。


安倍首相はTPPの主導者であり、今や世界のリーダーの一人であり、現時点で暗殺リスクが表面化すればするほど、ポスト安倍の後継者に求められる政治的資質を明確に規定せざるを得なくなる。

政治の世界、一寸先は闇と言われる。
何が起きるか、予想がつかないことの方が多い。

暗殺リスクを考慮するならば、ポスト安倍に求められる政治家の二大資質として、「地政学そしてTPPに精通していること」が求められると判断するに至るのである。


以上

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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

16:20  |  政府機関  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2018.01.28 (Sun)

アメリカ外交が米中国交再開後に「ノーベル平和賞」を必要とした理由

20世紀のアメリカ、いや世界の外交的権威、キッシンジャーはノーベル平和賞を受賞したことでも知られている。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.y-history.net/appendix/wh1604-013_1.html

アメリカのニクソン、フォード政権の外交を担当。中国との関係を改善、1972年のニクソン訪中を実現させ、中東和平でも活躍した。

 1960年代後半~70年代前半のアメリカのニクソン政権・フォード政権で外交手腕を発揮した人物。ドイツにユダヤ系として生まれ、ナチスドイツ政権成立によって1938年、15歳でアメリカに亡命した。ハーバードに学び、戦後はアメリカ兵としてドイツに駐留した。復員後、政治学者となり、冷戦期の外交問題で鋭い分析を行って注目された。ジョンソン政権で国務省顧問となり、ニクソン政権では国家安全保障担当大統領補佐官となった。ベトナム戦争では積極的な侵攻策を立案するとともに、ひそかに終結の方向を探った。
忍者外交

 世界を驚かせたのは、1972年のニクソンの訪中と訪ソを演出したことで、その神出鬼没の活躍は「忍者外交」と言われた。1973年には米中和解などの功績によってノーベル平和賞を受賞した。73年から77年はフォード大統領のもとで国務長官を務める。フォード政権ではデタントを推進する一方、73年の第4次中東戦争以後の中東情勢に対しても、頻繁に中東諸国を訪問してアラブ・イスラエル間の調停にあたり、「シャトル外交」と言われたが、基本的なイスラエル支持(キッシンジャー自身がユダヤ系であった)、ソ連の影響力の排除というアメリカの中東政策の枠組みから抜け出すことは出来なかった。また、アラブ諸国を牽制するためにイランと接近し、パフレヴィー王政との関係を強めたことは、79年にイラン革命を誘発する原因をつくった。ラテンアメリカでは73年のチリ軍部クーデターでピノチェトにるアジェンデ政権の転覆を支援した。国務長官退任後も影響力を保っており、2007年には核廃絶の訴えの呼びかけ人となるなど、活躍している。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

アメリカのノーベル平和賞の受賞者は他にもいる。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.american-presidents.info/AT23.html

セオドア・ルーズベルト大統領
ウッドロウ・ウィルソン大統領
ジミー・カーター大統領
バラク・オバマ大統領
番外編 ケネディ大統領とノーベル賞受賞者達
番外編 アル・ゴア副大統領

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

歴史に詳しい方なら、お飾りとして受賞した大統領、ご褒美として受賞した大統領の区別くらいはついていると思う。

ここで、キッシンジャーがあの時期にノーベル平和賞を「国家安全保障担当大統領補佐官」という立場で受賞した意味を考えなくてはならない。

受賞者は、役職上は、大統領補佐官に過ぎないのであるが、安全保障外交面では、世界支配層から大統領以上の権限を付与され行使した可能性はないのか?

馬淵睦夫は、「アメリカ大統領を操る黒幕」にて、ウッドロー・ウイルソン時代にもアメリカ大統領を操る黒幕が存在していたことを指摘している。

さらに、「悪の論理」(倉前盛通)にはこう書いてある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

164頁

ニクソン、キッシンジャー路線で米中の接近がはかられたとき、キッシンジャーは、まさに敝履のようにチベット難民を見捨てた。その反面パレスチナ・ゲリラのように、アラブ産油国が背後に控え、手段をえらばぬテロを行使するグループへは、もみ手戦法に出ていた。キッシンジャーは、おとなしい仏教とには一片の同情も示さなかった、彼こそ、まさに力と策略の信者であり、悪党の見本である。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

「悪の論理で世界は動く」(奥山真司)によれば、ナチスは古典地政学を悪用し、そのノウハウがアメリカに継承されたとしている。ナチスは民族抹殺ないし力と策略による戦争外交を展開したが、ノウハウの源泉が古典地政学であったことに改めて驚かざるを得ない。

かように地政学は、「悪の論理」と称される性格を有する(今も継承され続ける)実学なのである。

上記二冊の指摘、そして受賞の時期などから、件のノーベル平和賞は、「チベット人権問題を無視し、米中国交再開を正当化、引き続き覇権外交を維持」する目的のために(世界支配層に操られた)アメリカ政府が欲したのではないかと推測するに至るのである。

以上

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08:33  |  アメリカ  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)
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