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2017.04.12 (Wed)

国体を破壊するような「生前譲位」であってはならない

「皇室の本義  日本文明の核心とは何か」という本がある。中西輝政、福田和也共著である。

この本、構想的には素晴らしいのだが、文章精度的に今一つのところがあり、それゆえ、書評評価的には芳しくない。

目次を参照したい。

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序章 なぜ日本に天皇という存在が必要なのか 中西輝政

第一章 皇太子殿下の御発言と戦後の歪み

第二章 皇室は「道徳」と祭祀の中心である

第三章 軛から解き放たれるとき

第四章 憲法第一条と皇室典範の改正

第五章 皇室の根幹とは何か

第六章 国民の安寧と皇室

第七章 皇位継承の危機の本質

終章 帝王学と国民道徳 福田和也

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第一章から第七章までは、細部項目別に中西が書いたり、福田が書いたりしている。読み手としては読みにくい。

共著としたために、焦点が発散してしまった印象がある。私は、中西輝政は評価しているが、福田和也についてはまったく知らない。にわか保守なので知らないだけかもしれない。

序章は40頁近く、終章は「帝王学」という文字がタイトルに含まれるなど、「皇室の本義」というタイトルの終章としては違和感を覚える。文芸評論家で政治・ビジネス社会経験ない方が「帝王学」という言葉を使うことに私は納得できない。

それでも、読みどころがどこかにあるだろうと、辿っていくと、序章の中西輝政が執筆した中に見出すことができる。

序章の項目を参照したい。

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序章 なぜ日本に天皇という存在が必要なのか 中西輝政

「空回り」を続ける日本

いま回復させる三つのバランス

日本では「国」と「文明」とは切っても切り離せない

日本文明の”根幹”を示しておられる皇室

文明史の針が大きく降りかわる時代

わが国の自画像を見失わぬために

国民の危機を救う皇室伝統

「宗教的な存在」としての天皇の本質

戦略の核に「究極の存在」があることの強さ

「大いなる主権者」がもたらす統治の安定性

文化の実践者たる皇室

道徳を体現される存在

国民に語りかけられる存在

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素晴らしい項目設定が含まれている。直観でわかる。ヒントとなり得る素材はたくさんある。
しかし、当該頁を参照すると、タイトルと内容が一致しない。文章的に散漫かつ饒舌な印象となる。
気持ちが先走ってしまったのであろう。あの中西輝政でさえそうなる。それは、皇室について語ることが如何に難しいか、という証左でもある。

よって、この本に100%正解があると書くつもりはない。もっと旨く書ける方、書けそうな方に書き直して頂きたきたい。この本の目的は、女性宮家反対論を表明する他に、現代版「国体の本義」を定義・共有化することにあったと思いたい。


さて、現在、有識者会議が先行する形で、生前譲位に係わる細部の事項の検討が進められている。
が、生前譲位の細部を固めるにあたり、上述の本の序章に掲げられている項目を読むと、判断の道標となる項目が見逃されているのではないか?と考える。

それは何か?上記序章の8項目で構成されることになるだろう、と私は考える。

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・日本では「国」と「文明」とは切っても切り離せない

・日本文明の”根幹”を示しておられる皇室

・国民の危機を救う皇室伝統

・「大いなる主権者」がもたらす統治の安定性


・「宗教的な存在」としての天皇の本質

・文化の実践者たる皇室

・道徳を体現される存在

・国民に語りかけられる存在

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前半の4つは、国体の定義に係わること、後半の4つは、天皇そして皇族の資格要件に該当するだろう。
残念なことだが、上述の本の当該箇所について、引用して紹介したいほど文章がこなれておらず、説得力が今一つ。(小堀桂一郎、渡部昇一が書いたもので似たような原稿を読んだ記憶はあるが、どれなのか思いだせない。)

そして、困ったことに、生前譲位の詳細検討にあたり、検討作業に参画した有識者全員に、これらの原則が参照され、尊重されているのか、確かめようがない。

有識者の中に保守を偽装する者、官僚の中に皇室破壊を目論む者がいるとみているからだ。


一応、戦前編纂された、国体の本義は参照可能である。

―― 参考情報 ――――――――――

国体の本義
http://www.j-texts.com/showa/kokutaiah.html

国体の本義
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E4%BD%93%E3%81%AE%E6%9C%AC%E7%BE%A9

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この内容のとおりでいいかどうかは私は判断しかねるが、どこかの幼稚園での「教育勅語を暗唱する幼稚園児の姿」に感動する暇があったら、我々は現代版「国体の本義」について検討すべきだった。



生前譲位に係わる詳細検討について、一読に値する意見は存在する。私は、これらの意見について尤もであると思っている一方、私自身の勉強不足も痛感している。

―― 参考情報 ――――――――――

秋篠宮殿下を「皇太弟」とせず「皇太子待遇」としたのは、女性皇太子と女系天皇創りの策謀──共産党員・御厨貴が過激な天皇制廃止狂徒なのも忘れた、皇統護持の精神を喪失した日本人
http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2017/04/11/165606

●緊急拡散希望【スクープ:旧宮家に皇太子の従兄弟で天皇の血が濃い男性が3名いらっしゃいます】
http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/blog-entry-2449.html

「上皇后」の新尊称について
https://office-kurayama.co.jp/20170411122909

天皇譲位(退位)称号問題の謎解きー”太”の一文字
http://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako/e/4e5c0b2f9a6fef07684beff6ce3776d2

ないがしろにされている皇室典範(と憲法)
http://blog.goo.ne.jp/mannizawa/e/484611faffc8e91164999e1782dc552d

皇室典範第四条問題ー天皇譲位(退位)特措法は明白なる違法立法では?
http://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako/e/2b9892be87be34b7d12c82fbbfa250d5

東宮家と政治ー目指す女帝像とは?
http://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako/e/4f2e0d13f219b8b62b8c4d3841f3c6de

皇室をめぐる策謀は共謀罪レベルでは?
http://blog.goo.ne.jp/kuranishimasako/e/78c0293b4e53fd86150de05d8ef5e7e8

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「国体の本義」的なモノサシで、私見を述べさせていただくと、

仮に、皇太子が即位するにせよ、皇太子が、「宗教的な存在として、文化の実践者として、道徳を体現される存在として、国民に語りかけられる存在として」、ふさわしいのか、そもそも天皇陛下と呼ばれるのにふさわしいかというと、ブログ「BBの覚醒記録」の内容を参照すると、すべてに落第しているのではないかと言わざるを得ない。
雅子妃については、皇族たる資格すらないのではないかとみている。

しかし、それでも皇太子が皇太子でいられたのは、我々保守派が、国体に係わる根本原理となりえる、現代版「国体の本義」について定義・共有化することを後回ししてきたことと無縁ではないような気がする。

確かに、皇室典範は存在する。しかし、不十分な感じである。



ここで、民主党政権時代に、外国人参政権反対運動が盛り上がったことを思い出したい。まがりなりにも、外国人参政権反対運動が盛り上がり、結果、法案阻止に導いたのは、外国人参政権反対に係わる理論武装となる考え方が体系的かつ網羅的に文章化され、ネットを介して共有化できたことにある。

しかし、生前譲位についての保守派の取り組みには、それが見当たらない。
根っこがない中で、個別の現象面中心で論じてきた部分がある。

体系的かつ網羅的な提言が少ないことが、どうしても気になるのである。

こうした中、政権は今国会で生前譲位について法案成立を目指している。今上陛下向けのポーズとして言っているのか、有識者会議での作業を一段落させ彼ら(反日)の手の内を知るために急いでいるふりをしているのか、他の事案を勘案してそう言っているのかはわからない。



残された時間は少ない。

政権は、本当に、国体を破壊しない前提で生前譲位を実現しようとしているのか?
このまま政権に任せていて大丈夫なのか?

報道されている内容を読む限り、油断できない政治状況であることを指摘し、本稿を終える。

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2017.04.05 (Wed)

生前譲位前に今上陛下が為されるべき二つのこと

本稿、生前譲位前に、今上陛下として為されるべきこと、二点について提言させていただく。

先日、今上天皇が、皇居周辺をお忍びで散策されたそうである。

―― 参考情報 ――――――――――

池上彰皇室特番とお忍びがお忍びじゃない天皇皇后両陛下
http://koredeii.com/?p=2855

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一般国民の反応を確かめる目的か、何か政治的効果を狙ったものであろうと、私は推測する。

ひょっとすると、女性宮家について言及するための下調べ???

今上陛下は、(公務が忙しく大変だと語られる一方で)お忍びで散策される余裕がおありのようである。ならば、(極東軍事裁判にて、昭和天皇の身代わり?となって訴追され処刑された)東條英機閣下の宣誓供述書をお読みになられ、譲位後の行動指針とされるべきだ。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

天皇に責任なし責任に我に在り 大東亜戦争の真実 東條英機宣誓供述書

東条由布子編

極東軍事裁判
東條英機宣誓供述書  昭和二十二年十二月二十六日提出

148頁~149頁

次の事柄は私が戦後知り得た事柄であって、当時はこれを知りませんでした。
(一)米国政府は早くわが国外交通信の暗号の解読に成功し、日本政府の意図は常に承知しておったこと
(二)わが国の一九四一年[昭和一六年]十一月二十日の提案は日本としては最終提案なることを米国国務省では承知しておったこと
(三)米国側では十一月二十六日のハルノートに先立ち、なお交渉の余地がある仮取極案をルーズヴェルト大統領の考案に基きて作成し、これにより対日外交を進めんと意図したことがある。この仮取極案も米国陸海軍の軍備充実のために余裕を得る目的であったが、いずれにするも仮取極はイギリスおよび重慶政府の強き反対に会いこれを取りやめついに証第一二四五号1の通りのものとして提案したものであること、ならびに日本がこれを受諾せざるべきことを了知しいたること
(四)十一月二十六日ハルノートを日本政府は最後通牒とみていることが米国側にわかっておったこと
(五)米国は一九四一年十一月末既に英国とともに対日戦争を決意しておったばかりでなく、日本より先に一撃を発せしむることの術策が行われたることであります。十一月末のこの重大なる数日の間において、かくのごとき事が存在しておろうとは夢想だもいたしておりませんでした。


232~234頁

敗戦の責任は我にあり

日本の主張した大東亜戦争政策なるものは侵略的性格を有するものなる事、これが太平洋戦争開始の計画に追加された事、なおこの政策は白人を東亜の豊富なる痴態より駆逐する計画なる事を証明せんとするため本法廷に多数の証拠が提出せられました。これにたいし私の証言はこの合理にしてかつ自然に発生したる導因の本質を白日のごとく明瞭になしたと信じます。
私はまた国際法と太平洋戦争の開始に関する問題とにつき触れました。また日本における政府と統帥との関係ことに国事に関する天皇の地位に言及しました。私の説明が私および私の同僚の有罪であるかを御判断下さる上に資する所あらば幸せであります。

終わりに臨みー恐らくこれが当法廷の規則の上において許さるる最後の機会でありましょうがー私はここに重ねて申上ます。日本帝国の国策ないしは当年合法にその地位にあった官吏の採った方針は、侵略でもなく、搾取でもありませんでした。一歩は一歩より進み、また適法に運ばれた各内閣はそれぞれ相承けて、憲法および法律に定められた手続きに従いこれおを処理して行きましたが、ついにわが国は彼の冷厳なる現実に逢着したのであります。当年国家の運命を商量較計するのが責任を負荷したわれわれとしては、国家自衛のために起つという事がただ一つ残された途でありました。われわれは国家の運命を賭しました。しかして敗れました。しかして眼前に見るがごとき事態を惹起したのであります。
戦争が国際法上より見て正しき戦争であったか否かの問題と、敗戦の責任いかんとの問題とは、明白に分別のできる二つの異なった問題であります。第一の問題は外国との問題でありかつ法律的正室の問題であります。私は最後までこの戦争は自衛戦であり、現時承認せられたる国際法には違反せぬ戦争なりと主張します。私はいまだかつてわが国が本戦争をなしたことを以て国際犯罪なりとして勝者より訴追せられ、また敗戦国の適法なる官吏たりし者が個人的の国際法上の犯人なり、また条約の違反者なりとして糾弾せらるとは考えた事とてはありませぬ。
第二の問題、すなわち敗戦の責任については当時の総理大臣たりし私の責任であります。この意味における責任は私はこれを受諾するのみならず真心より進んでこれを負荷せんことを希望するものであります。


238頁
解説 渡部昇一
この供述書が占領下の日本で発禁文書であったことも重視すべきである。パル判決書もそうであった。これらの文書を占領軍が公開できなかったのは、そこには真実が述べられており、連合国側こそ大戦の原因になっていること、また東京裁判の訴因は虚構、あるいは夢想であることが白日の下にさらされていることを、占領国側が怖れたからであるに違いない。  


||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


なぜ、こんな唐突なことを書くか。
生前譲位に係わる一連のご対応、昨今の公務、私事に綻びが生じており、本来の伝統的皇族と違う方向を向いていらっしゃるのではないかとの思いから、その本のその箇所をお読みいただきたい、
そういう趣旨で、東條英機閣下のことを紹介したのである。

私が書いていることは不敬であろうか?戦後の皇室の原点を見失っているようにお見受けするがゆえに、皇太子時代ならびに即位された時点での政治的状況を振り返っていただきたい、そういう思いの中で、立ち位置をご確認されるのにふさわしい文献として、東條英機閣下の宣誓供述書を見出したのである。



そのうえで、今上陛下が、生前譲位前に、もう一つ為されるべきことを申し上げたい。

それは、陛下の靖国参拝である。私個人は、お忍び(非公式)、公式、どちらでも構わない。
公式とするなら、トランプ大統領来日のタイミングとするのがいいだろう。

アジア諸国において、慰霊目的で訪問されたことは大変有り難いことであると私は思っている。
その慰霊目的の総仕上げとして、「天皇陛下万歳」と叫び、特攻散華された、日本軍兵士の慰霊のため、靖国参拝をお忍びでいいのでお願いしたいのである。

靖国は、皇居のすぐそばにある。



お忍びでも参拝いただけるなら、私は、仮に皇室秘密資産が3000兆あろうと、国外財産調書未提出で脱税であろうと、黙認する。(小和田某の行為は、許すつもりはないが)

東宮即位も認めてもいい。(公務は国事行為に限定。宮中祭祀は免除。外交は、諸外国の王室の接遇等に限定)

皇居外お忍び散策によって、生前譲位後に、今上陛下はあちこちにお忍びでお出かけになられるご意向のようなので、お忍びなら、我々一般国民も陳情要請行為等は問題なかろうと考えるので、本稿お読みの方におかれては、そのための準備されんことをお願いし本稿を終える。


以上

06:14  |  皇室  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)
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