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2018.02.02 (Fri)

国民を幸福にする政治思想  不幸にする政治思想 

本稿では、西部邁と中川八洋の比較を通じて、国民を幸福にする政治思想、国民を不幸にする政治思想の存在について述べたい。



西部邁流の価値観、政治思想だけで人物評価する発想からすれば、安倍首相は、真の保守でないように映るかもしれない。ジャップと罵るべき政治屋かもしれない。

―― 参考情報 ――――――――――

西部邁氏「安倍は保守じゃない。私は保守という言葉を理解しようとしない人々に憤りを込めて『ジャップ』と呼んでます」
http://hosyusokuhou.jp/archives/48802360.html

安倍首相は「真の保守」ではない!西部邁氏が迷走政治を一刀両断
http://diamond.jp/articles/-/144344

―――――――――――――――――

これは、昨年10月時点での西部邁の見解である。


ちなみに、私は、政治思想的にはノンポリ。これでも高校1年の時から哲学書は読んでいる。大学4年の時、就職内定後、大学図書館にて、マルクス、エンゲルス、レーニン、毛沢東など、左翼団塊世代が崇める全集ものは読んだが染まらなかった。

従って、西部邁流の評価に従えば、政治を知らない愚か者という評価になるだろう。なぜなら、私は政治思想的にノンポリなのだ。

何を言いたいか。我々世代の多くは、まともな政治哲学が何であるか知らずに育った。
西部邁は、首相は真の保守になるべきだとという。ならば、まともな政治哲学の先駆者が誰で、どういう系譜になっているのか、学者なのだから図示、解説すべきだった。
中川八洋の政治哲学の本の方が数段まともだという見解である。
中川八洋は学術的に調べ、本を書き、保守思想の系譜を紹介している。
中川八洋の「保守主義の哲学」から引用させていただく。

日本を益する自由擁護の保守主義系の思想家たち 保守主義の哲学 

日本を害する人間憎悪・伝統否定・自由破壊の思想家たち 保守主義の哲学

これに対し、西部邁の代表作「思想の英雄たち―保守の源流をたずねて 」(角川春樹事務所 ハルキ文庫)を読んだが、観念論的な印象がある。言い廻しも学術的なスタンスではない。

中川八洋の本の方が学術的、体系的、論理的で数段読みやすい。(難しい部分もあるが)

一般論として言えることだが、物事について理解できている人が書いた文章は、総じて、すっきりした書きぶりで、読んでわかりやすい。図の解説も多い。
学習参考書で「親切な物理」という本があったが、私はこれで物理を学んだ経験からそういえる。
西部邁は、文章が延々と続き、どこに結論が書いてあるのか、まるではっきりしない。とらえどころがない筆致である。引用紹介したくとも、その箇所を見つけるのに難儀する。



中川八洋と西部邁、どちらが、政治思想史的に真の保守を学術的に説明しているか、これまでの説明で一目瞭然であろう。真の保守かどうかを見定める際に、言葉としての「保守」の定義以外に、政治思想史の流れをわかりやすく紹介するのは当然であろう。



そのうえで、西部邁が安倍首相をかく批判するなら、安倍首相など歴代自民党政権に圧力をかけ続けてきたであろう、キッシンジャーやクリントンの存在について言及しないのは不可解である。西部邁は、「キッシンジャーを悪党と批判した倉前盛通の本」(当時のベストセラー)のことを知らないはずはない。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

「悪の論理」(倉前盛通)

164頁

ニクソン、キッシンジャー路線で米中の接近がはかられたとき、キッシンジャーは、まさに敝履のようにチベット難民を見捨てた。その反面パレスチナ・ゲリラのように、アラブ産油国が背後に控え、手段をえらばぬテロを行使するグループへは、もみ手戦法に出ていた。キッシンジャーは、おとなしい仏教とには一片の同情も示さなかった、彼こそ、まさに力と策略の信者であり、悪党の見本である。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




西部邁は、幕末の攘夷論者の如く、できもしないことをやるべきだと言っている面はないのか?

―― 参考情報 ――――――――――

攘夷論者が、実行できないことがわかっていながら「攘夷」を唱え続けた理由
http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-545.html

―――――――――――――――――

言論人たちは、責任をとることはない。戦前も、そして戦後も。
しかし、西部邁は、ああいう形で人生を終えたことで、責任だけはとろうとしたかもしれない。



理由は、中川八洋との比較で考えればわかることである。本来、西部邁がその立ち位置でやるべきだったことは、中川八洋が書いたような、建設的かつ学術的な性格を有する、「正統の哲学、異端の思想」、「保守主義の哲学」、「正統の憲法 バークの哲学」を刊行することではなかったか。ちなみに中川八洋は、驚くなかれ、理系出身である。

(理系出身の)中川八洋の本を読んで気がつくことだが、文系学者たちは、真正の保守云々と語る以前に、国家に対し為すべきことをしてきたのであろうか?



松尾一郎という在野の歴史研究者が、ここに来て、保守系の学者を批判するのはなぜなのか?

―― 参考情報 ――――――――――

保守系の歴史学者たちは大丈夫なのか? 
http://nihonshitanbou.blog.fc2.com/blog-entry-494.html

―――――――――――――――――

松尾一郎は、マイク・ホンダの来日の際、ユダヤ組織が随行していることを突き止めた方である。

http://www.history.gr.jp/nanking/honda.html

また、史料発掘に熱心に取り組んでいる。

http://blog.livedoor.jp/ichiromatsuo/archives/74747469.html

嘘をついているとは思えない。

また、(渡部昇一と仲が良かった)谷沢永一の西尾幹二批判も参考となるだろう。

―― 参考情報 ――――――――――

つくる会発足時点で起きたこと  「渡部昇一の少年日本史」刊行の意味 
http://nihonshitanbou.blog.fc2.com/blog-entry-412.html

―――――――――――――――――

彼らは、つくる会の創設に関わっている。

―― 参考情報 ――――――――――

【資料】「つくる会」の内部抗争の歴史と今回の内紛
http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/siryou20060314.htm

―――――――――――――――――

ひょっとすると、かつての内部抗争はターゲットを変えて続いていると見なくてはなるまい。少なくとも、谷沢永一、松尾一郎は、すべきこと、すべきでないことについて区別はついていたようだ。



では、そういう性格?を有する組織に係わった、西部邁はどういう評価となるか。



中川八洋と対比すると、政治哲学を語る言論人として完全に行き詰った………………ということになる。

代表作の一つ、「思想の英雄たち―保守の源流をたずねて 」(角川春樹事務所 ハルキ文庫)の書評を参照したい。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www.amazon.co.jp/%E6%80%9D%E6%83%B3%E3%81%AE%E8%8B%B1%E9%9B%84%E3%81%9F%E3%81%A1%E2%80%95%E4%BF%9D%E5%AE%88%E3%81%AE%E6%BA%90%E6%B5%81%E3%82%92%E3%81%9F%E3%81%9A%E3%81%AD%E3%81%A6-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%98%A5%E6%A8%B9%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80-%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AD%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%A5%BF%E9%83%A8-%E9%82%81/dp/4758436290/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1517517419&sr=8-1&keywords=%E6%80%9D%E6%83%B3%E3%81%AE%E8%8B%B1%E9%9B%84%E3%81%9F%E3%81%A1+%E4%BF%9D%E5%AE%88%E3%81%AE%E6%BA%90%E6%B5%81%E3%82%92%E3%81%9F%E3%81%9A%E3%81%AD%E3%81%A6

hiroyasu fujiwara

5つ星のうち2.0
建設的な内容ではない大衆批判に始まり民主主義否定に入り、本では触れていないがおそらく身分制度回帰。
西部さんの保守思想に出口がなくただ滅びを待つだけ。
人生を絶望により閉じる人が読むにふさわしい本だという印象を受けました。
 投稿日: 2015年3月6日

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



ここで、西部邁のように、観念論的に国家指導者が真の保守であろうことをストレートに模索すると、日本がどうなるか考えたい。



私の見解はこうなる。

アメリカを操る支配層が、やろうと思えば安倍政権を打倒すること(第一次安倍政権打倒の黒幕はユダヤ?)、欧米マスコミを通じて日本を貶め、外交的に孤立させ、経済的に追い詰めることは簡単なのだ。戦前の日本は、彼らにさんざんしてやられたのだ。
従って、一人の政治家として真の保守であろうとし過ぎて、国家国民を不幸のどん底に落とすことは、政治家として妥当な判断とは言えまい。

ここで二つの考え方があることを示す。



①西部邁流に考えれば、反米保守の視点で国益を追求することになるが、現実には世界支配層に潰される可能性大(日本が経済制裁の対象とされ、国家経済的に不幸な事態に突入する)
②第二次安倍政権流の外交姿勢などから、各国の国益に配慮しつつ、アベノミクスによって各国経済に好循環をもたし、同時に日本経済を回復に導く


私は②を支持する。実際そうなりつつある。



過去数年間、政権の外交分析した視点から、安倍首相は、憲法9条の完全改正は難しいと判断?、「日本の経済力あるいは日本が有する技術」と相手国の軍事力を交換するという切り口での外交活動だったように見える。この外交手法は、日英、日印など友好国に特に目立っている。



西部邁は、政治思想という視点だけで安倍首相を評価したに過ぎないのである。また、西部邁は、倉前盛通のように、キッシンジャー批判した訳ではないようだ。
言論活動的に批判しやすい安倍首相だけを批判し、批判しにくい存在について論評を避けてきた傾向にあるかもしれない。その点において、幕末の攘夷論者のようである。

安倍首相は、アベノミクスを掲げ日本経済を回復させ、国民を豊かにする政治政策を選択している。(と私は評価する。)

それゆえ、国際情勢の変化、外交活動について分析らしい分析(文章化したもの)をせず、真の保守ではないと評価する行為は、教条主義的であるばかりか、視野狭窄という評価となる。東大出の学者がそんなレベルだから世界大学ランキングでの日本の地位が低下している面はないのか?

従って、本稿の結論は

真の保守であるかどうか以前に
アメリカを操る支配層とどう渡り合うか、彼らからどう信任を得、日本経済を豊かにし、日本国民の生命財産安全を守ることの方が重要ではないかと安倍首相は考え、その路線を選択し、世界支配層の信任を今のところは得ている
となる。

真正保守追及というイデオロギー最優先の発想では、世界統一を目指す支配層が存在する限り、国家も国民も不幸になる。

渡部昇一が、清廉潔白な政治家は国家国民を不幸にすると書いていた記憶があるが、それは西部邁のようなイデオロギー最優先の政治思想のリスクを間接的に指摘していたと考えるのである。

以上

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テーマ : 保守主義 - ジャンル : 政治・経済

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