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2018.01.30 (Tue)

TPPはなぜ「通商交渉史上の快挙」なのか?

本稿では、自民党甘利明議員がTPPを「通商交渉史上の快挙」だとする、論理的根拠について分析した結果を述べさせていただく。

まず、甘利明議員の国会レポートを参照する。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://amari-akira.com/01_parliament/index.html

甘利明 国会レポート

TPP11が完全合意に至り、3月8日にチリで署名式という段取りが整いました。まさに通商交渉史上に残る快挙です。TPP11はTPP12のほぼ全てを踏襲したもので、将来アメリカが復帰した場合に備えその取り分だけ空けておくというものであり、ルールについてもアメリカの要求で設定した部分はアメリカが参加するまで凍結するという方式ですので、新協定は7つの条文からなる簡単なものです。関税等はTPP12から一切の変更も認めず、ルールのみ22項目をアメリカ復帰まで凍結をしました。例えばFedExが要求していた急送少額貨物の免税基準額に関する見直しとか投資した企業が約束違反の相手政府の行為を訴えるISDSの一部とか医薬品や生物製剤のデータの保護期間の延長とか著作権保護期間の延長等です。

以下省略

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




甘利明議員が、通商交渉外交史上という言葉には、三つの意味がある。

①日本通商外交史上、ペリーに開国を迫られ、欧米列強と次々と不平等条約を呑まされた時代と比較し、加盟国すべてに平等であること
②さほど経済的には強国と言えない弱小国それぞれが、国家の自発的意思で経済ブロックを形成した、珍しいケースであること
③ユダヤ資本がイギリス、アメリカを陰で支配する状況にあって、ユダヤの妨害を受けず、経済ブロックが形成されたこと



①、②については、細かく説明するまでもなく、教科書的知識を有する方なら、誰でも納得可能な話と思う。

③については、「日本と世界を狙う悪の論理 悪の宗教パワー」(倉前盛通)という30年前に書かれた本に、「日本の高度経済成長について第二次大戦の戦勝国アメリカを陰で支配するユダヤ資本がどう考えているか」についての解釈があり、そこで示されるユダヤの対日観が適用できるのではないかと考える。



||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

日本と世界を狙う悪の論理 悪の宗教パワー
倉前盛通


25~26頁
かれら(アメリカ、ヨーロッパ)の論理でいえば、国家のイメージ・チェンジは従来「戦争」に勝利することでしか成しえなかった。日本経済の成長の急激さは戦争をせずに国家の変身を遂げた。いままでどんな国でもなしえなかったことをやってしまった日本に対して、貿易の直接相手国である大手のアメリカ、ヨーロッパが戸惑っているというだけのことである。

28頁

アメリカにとっては中東のイスラエルと同様に、極東の日本を自陣営の勢力圏に取りこんでおきたいのはいうまでもない。日本を「出すぎず、背かず」の状態でコントロールしていく戦略をとってくる。”円高”もその一環である。

35~36頁
四十年という歳月は、国家の歴史の単位でみればあっという間の時間でしかない。欧米やアジアの各国には二本はまだまだ、ちょんまげ、毛筆、軍国主義などの残像が色濃く印象づけられているはずである。
これらの日本人観と現在の経済力を基盤にした日本の実情とは大きなギャップがあるのは否
めない。またあって当然ともいえよう。
くりかえすが、一神教の国家は、国力を高めるためには直接的な収奪、つまり戦争で勝つことしか発想できないのである。
それは現代の国際政治でも端的に表れている。かつての植民地主義のヨーロッパの列強然り。ベトナム、中南米におけるアメリカも然り、彼らは力で勝ち取った自分たちの毛ね起を失わないために、自由に操作できる市場を確保しておくために、軍事力を背景に脅しをかけて収益をあげてきた。これはある意味で戦争である。
日本は軍艦も爆弾もつかわずに短期間に、かれらとは違うやり方で、国力を高めてしまったのである。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



この文章の中で、考え方としてそっくりTPPに当てはめられそうな箇所について再掲する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・国家のイメージ・チェンジは従来「戦争」に勝利することでしか成しえなかった。
・一神教の国家は、国力を高めるためには直接的な収奪、つまり戦争で勝つことしか発想できないのである。
・日本は軍艦も爆弾もつかわずに短期間に、かれらとは違うやり方で、国力を高めてしまったのである。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

日本は、オバマ政権時代に押し付けられたTPPについて、なんとか咀嚼、アメリカ脱退を受けてそれでも自国経済運営のために奮闘、文字通り、軍艦も爆弾も使わず、TPPという権益(経済ブロック)を確保することに成功した。

TPPにより、日本企業は自動車市場、弱電市場(ソニー復活)、各種インフラ市場を得るだろう。


すなわち、ここで言う、「通商交渉史上に残る快挙」とは、改めて定義し直すと


日本にとっては、開国後、初めて自国の主体的判断にて経済ブロックを獲得した点において、通商交渉史上の快挙であり
TPP発足を決断した(どちらかというと弱小国)各国においては、弱小国各国の主体的判断で自国優位の経済ブロックを獲得できた点において、通商交渉史上の快挙であり
一神教の世界観で言うと、戦争し戦争に勝利し、属国化しないと得られない経済権益を、戦争によらない手段で加盟各国が確保した点において、通商交渉上の快挙である
ことを指すのである。


また、TPPの発足により、将来の中共との紛争に備え、日本は経済外交的に優位なポジションを獲得しただけでなく、地政学的な要衝を押さえることに成功したと言えるのではあるまいか。

甘利明先生が、将来、本を出される際のご参考となれば幸いである。

以上

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