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2018.01.27 (Sat)

地政学が20世紀の戦争に果たしてきた役割と経緯

次稿以降、しばらく地政学と絡めた論考とする方針である。
理由は、安倍政権を取り巻く安全保障外交に係わる諸情勢を分析していくうちに、遅ればせながら地政学の要素を取り入れる必要があるとの認識に辿りついたことにある。

地政学については、中川八洋「地政学の論理」という名著がある。例によって学術的・体系的・論理的に書かれており、学問的視点で読むには、この本が一番まともな気がする。ただし、古書価格が乱高下していることにご注意いただきたい。古書最低価格で700円くらいの時もあれば7000円の時もあった。

現象面での分析としては、「悪の論理」(倉前盛通)という名著がある。この本に書かれている内容で、今現在起きている現象分析について適用できることを私は発見した。この本は50年に一度出るか出ないかくらいの名著と思う。

その現代版の解説書、現象面中心に地政学の論理で述べた本が、「悪の論理で世界は動く」(奥山真司)である。
この中に地政学という近代地政学研究が始まった経緯についての記述があるのを見つけた。

以下に引用転載させていただく。


||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

86頁
古代文明の中で脈々と息づいていた地政学が、近代的な戦略理論として花開いたのはドイツだった。
まだプロイセン王国だった一八七一年、ナポレオン三世時代のフランスと戦争になったドイツは、当時の大帝国フランスに圧勝してしまう(普仏戦争)。鉄血宰相と呼ばれた名君ビスマルクや参謀長の大モルトケを擁し、前々から戦争に備えてフランスへと延びる線路を六本も作り、兵站を確保するなど、この勝利は用意周到な準備のたまものだった。
この闘いに勝利したプロイセンはドイツ帝国と名前を変え、一気に国力を増大させ、欧州の列強の一角に躍り出ることになった。
その鮮やかな勝利の裏には体系的な地理の知識があると知ったヨーロッパの国々が、盛んにドイツ式の地理を研究するようになった。これが近代の地政学研究の始まりである。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

引き続き、同じ本から地政学と国家戦略、歴史的経緯について、関連づけて記述している箇所について引用転載させていただく。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

13~15頁
本来の地政学とは、地理的状況における国家の行動原理を理論化したものであり、これによって、その国家が本質的に求めている方向を予測するツールになるという側面を持つ。
そしてもしこれが本当なら、地政学にしたがって国家戦略が行われた場合には「無理や齟齬が生じにくいもっとも自然な形で理にかなった発展が可能になる」と言えるのではないか。
このことに気がついたのが普仏戦争(一八七〇~七一年)のころのドイツであり、それまでの概念的に存在した地理学の知識を体系化することに成功した。その後、ドイツ帝国の誕生によって地理学の知識が連合国側の知るところとなり、その存在が一気に脚光を浴び、それぞれの国家における戦略の起訴としてさらなる研究が繰り返された。
ところが同時に、この地理の知識を本格的にまとめて理論化したのがイギリスである。これが第二次世界大戦前にドイツに逆輸入されてねじ曲げられてしまい、ナチス・ドイツの発展によって一時は廃れたが、その後はアメリカにわたって細々と研究された結果、いまや近代国家の戦略体系になっていると言っても過言ではなくなっている。
中国も、アメリカも、当然のように地政学の観点をもとにして国家戦略を運営している。少なくとも、両国におけるこれまでの政治的な動きは、地政学による戦略理論
によってかなりの部分を説明できてしまう。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

地政学と関連づけた国家戦略が必要なのは言うまでもない。超大国は例外なく地政学的発想で国家戦略を構築、地政学的スタンスで実践している。日本はというと、戦後の大部分の時期、そうではなかった。
しかし、だからと言って過剰に悲観する必要はない。そのことを示すべく、次稿以降で少しずつ説明予定である。

以上

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