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2017.11.05 (Sun)

大日本帝国憲法は今も生きている  

西村眞悟が10月25日に、「大日本帝国憲法は今も生きている」とする記事を出稿したことを知ったので触発されて出稿することとした。

―― 参考情報 ――――――――――

大日本帝国憲法は今も生きている
http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1376&view=0

―――――――――――――――――



一方、手続き論的視点から大日本帝国憲法は廃止されていないとの説がある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://seikei-kami.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html

大日本帝国憲法は生きている??? (大日本帝国憲法の有効性議論)

稚拙な法学徒の頭で当時考えてみたが、どうも大日本帝国憲法は『廃止』もしくは『停止』の措置がとられていない。法学的に言えば、大日本帝国憲法の『全文改正』の手続きによって、『日本国憲法』が定められたのだが、普通、改正って『第何条の某という語句を甲に改める』と言うのが普通である。『全文』を『改正』する手続きが大日本帝国憲法上有効かどうか、疑わしいんじゃないか…と思った記憶がある。法律改正であれば、少なくとも『第何条は下記の条文に置き換える』くらいやっておかないといけないといけないのでは…、と率直に思ったのであった。学会の議論で言えば、憲法改正限界説(そもそも大日本帝国憲法の改正する範囲を超えてしまっている、と考えている)や真正護憲論(新無効論)(制定の経緯が国内法、国際法、条約等に反し、原始的無効と考えている)と言うらしい。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



こういう見解もある。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1255847007

日本国憲法は大日本帝国憲法の改正条項に基づいて成立してます
 もし手元に六法書でもあれば、日本国憲法の冒頭を見ればわかります
朕(昔の天皇の一人称)は、…枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、…と書かれています
形式を借りたにせよ、現行憲法は旧憲法が改正されて成立したわけです
 ですので国民投票に掛けられることなく、抜本改正ができたわけです
*つまり廃止はされていないが、改正されたので古い条文には効力がないということです

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



少し脱線するが、以下のような説もある。

―― 参考情報 ――――――――――

改正無限界説 南出喜久治
http://kokutaigoji.com/books/kokutaigojisouron_3/3-3-8-08_kaiseimugenkaisetsu.html

日本国憲法の正統性(2)ー改正憲法説  倉山満
http://www.kurayama.jp/modules/wordpress/index.php?p=190

―――――――――――――――――

極度に専門的視点からの見解である。



さて、福田恆存は、「欽定憲法は決して死滅してはをらず、理論上は生きてゐる」としている。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-727.html

福田恆存「当用憲法論」

私は欽定憲法の復活を希望してゐるのではない。私にとって大事なのは欽定憲法そのものではなく、日本人の憲法意識なのであります。それに、私が復活を希望するまでもなく、欽定憲法は決して死滅してはをらず、理論上は生きてゐるのです。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



たとえば、政権が非常事態時など、日本国憲法無効を宣言すれば、帝国憲法は生き返ることになると予想する。

西村眞悟は、「我が国の憲法は、万世一系の天皇を戴く我が国の歴史と伝統の中に存在している」としている。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1376

西村眞悟先生の見解

「現在の我が国の憲法」は何処に如何にして存在しているのか、である。
「我が国の憲法」とは何か、それは如何にして存在しているのか、
が分からずして、そもそも改正論を唱えられないではないか。

私の考え、直感は、我が国の憲法は、万世一系の天皇を戴く我が国の歴史と伝統の中に存在している、というものである。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

憲法は、その国固有のものであることは言うまでもない。

西村眞悟は、大日本帝国憲法制定史調査委員長だった、京都大学名誉教授大石義雄の見解を紹介している。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1376

「大日本帝国憲法制定史」跋文
大日本帝国憲法は、
明治天皇が皇祖皇宗の遺訓を体して欽定されたものであるから、
大日本帝国憲法の精神的な基礎を為す日本思想を理解することなくしては、
大日本帝国憲法の制定史を語ることはできないのである。

大日本帝国憲法は、
現憲法から見れば旧憲法である。
しかし、社会は刻々として変わる。
占領目的達成の手段として作らされた現憲法も、
いつまでもつづくといふわけにはゆかないのであり、
いつかは変わらなければならないだろう。
その時は、
大日本帝国憲法の根本精神が
新憲法の名においてよみがへって来るだろう。
この意味において、
大日本帝国憲法は、
これからの日本の進路を示す光として今も生きているのである。
 
 昭和五十四年三月吉日
        大日本帝国憲法制定史調査委員長
        京都大学名誉教授   法学博士 大 石 義 雄

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


最後に、福田恆存の当用憲法論から、欽定憲法と現憲法の文章の質の違いについて、紹介し、本稿を終える。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-727.html

日本を思ふ  福田恆存 
当用憲法論

現行憲法に権威が無い原因の一つは、その悪文にあります。悪文といふよりは死文といふべく、そこに起草者の、いや翻訳者の心も表情も感じられない。吾々が外国の作品を翻訳する時、それがたとへ拙訳であらうが、誤訳があらうが、これよりは遥かに実意の篭もった態度を以て行ひます。といふのは、それを翻訳しようと思ふからには、その前に原文に対する愛情があり、それを同胞に理解して貰はうとする欲望があるからです。それがこの当用憲法には聊かも感じられない。

今更ながら欽定憲法草案者の情熱に頭が下がります。良く悪口を言はれる軍人勅諭にしても、こんな死文とは格段の相違がある。前文ばかりではない、当用憲法の各条項はすべて同様の死文の堆積です。こんなものを信じたり有り難がったりする人は左右を問はず信じる気になれません。これを孫子の代まで残す事によって、彼らの前に吾々の恥を晒すか、或はこれによって彼等の文化感覚や道徳意識を低下させるか、さういふ愚を犯すよりは、目的はそれぞれ異なるにせよ、一日も早くこれを無効とし、廃棄する事にしようではありませんか。そしてそれまでに、それこそ憲法調査会あたりで欽定憲法改定案を数年掛りで作製し、更に数年に亘って国民の意見を聴き、その後で最終的決定を行ふといふのが最善の策であります。憲法学上の合法性だの手続きだの、詰まらぬ形式に拘はる必要は無い、今の当用憲法がその点、頗る出たらめな方法で罷り出て来たものなのですから。
(昭和四十年「潮」八月号)

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

以上

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改憲議論の戦線がどこなのか分かりづらい問題

現状、改憲派が護憲派の理論を打ち破る為に壁になっているのが、「現憲法の法的問題(有効、無効を含む)」、「改憲の民意(現憲法が法的に無効であっても、保守派が望むとおり、もしくは近い形で改正できない可能性有)」、「保守知識人の人材不足(他界等による生物学的減少と、後継の育成不足問題)」があります。

現状、現憲法の正当性は、宮沢俊儀と芦部信義の「8月革命説(丸山真男説もあり)」が根拠と言われていますが、法学的には出鱈目な論(そもそも、8月革命説自体は、宮澤が、GHQの占領政策で、公職(東大法学部教授)の地位を追われそうになった際に、苦し紛れに取り出した言い訳のようなものです)であり、他に現行憲法を支える法的(法学的)な根拠については、保守派を含めても、よく分かっていないような気がします。

護憲派の中に他の意見があるのかどうか知りませんが、政治的な問題(民意、改憲の扱いに関する問題)を含めて色々と複雑な問題があるので、改憲、護憲にしてもどちらも、かなり無理な理屈を用いて主張している為、「有効打」を打ててないのではないかと思いますね。

護憲派、保守、改憲議論の戦線が分からなければ、互いに水掛け論になるだけで、結果として滅茶苦茶な理屈(無理のある理屈)であったとしても、現憲法肯定派である護憲派の方が、時間的な問題等の点で、有利になってしまうというのは、改憲派、無効派にとって致命的ですから、何としても、改憲議論の戦線を貢蓋し、突破口を開きたいものだと思いますね。
西 |  2017.11.06(月) 02:13 | URL |  【編集】

Re: 改憲議論の戦線がどこなのか分かりづらい問題

> 現状、改憲派が護憲派の理論を打ち破る為に壁になっているのが、「現憲法の法的問題(有効、無効を含む)」、「改憲の民意(現憲法が法的に無効であっても、保守派が望むとおり、もしくは近い形で改正できない可能性有)」、「保守知識人の人材不足(他界等による生物学的減少と、後継の育成不足問題)」があります。
>
> 現状、現憲法の正当性は、宮沢俊儀と芦部信義の「8月革命説(丸山真男説もあり)」が根拠と言われていますが、法学的には出鱈目な論(そもそも、8月革命説自体は、宮澤が、GHQの占領政策で、公職(東大法学部教授)の地位を追われそうになった際に、苦し紛れに取り出した言い訳のようなものです)であり、他に現行憲法を支える法的(法学的)な根拠については、保守派を含めても、よく分かっていないような気がします。
>
> 護憲派の中に他の意見があるのかどうか知りませんが、政治的な問題(民意、改憲の扱いに関する問題)を含めて色々と複雑な問題があるので、改憲、護憲にしてもどちらも、かなり無理な理屈を用いて主張している為、「有効打」を打ててないのではないかと思いますね。
>
> 護憲派、保守、改憲議論の戦線が分からなければ、互いに水掛け論になるだけで、結果として滅茶苦茶な理屈(無理のある理屈)であったとしても、現憲法肯定派である護憲派の方が、時間的な問題等の点で、有利になってしまうというのは、改憲派、無効派にとって致命的ですから、何としても、改憲議論の戦線を貢蓋し、突破口を開きたいものだと思いますね。


西さんがこのコメントで述べられた「護憲派の理論を打ち破る為」だけでなく、どういう議論をしてどういう論点を示し、どうういう選択肢を示せばいいのか、言い換えると国民投票をイメージした論点整理の手順をどうすべきか、に帰結すると見ております。
この視点から、改憲に係わるテーマで近々続編を出稿予定です。
管理人 |  2017.11.06(月) 17:49 | URL |  【編集】

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