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2016.05.30 (Mon)

首相一人の守備範囲はどこまでか 

安倍首相の例を参考に、首相が一人でカバーしている業務量を試算し、首相として落ち着いて考えられる時間が月に何時間くらいあるのか、推定を試みる目的で出稿することとした。


首相官邸サイト、総理の1日にて、その動静が2年前までは確認できた。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/actions/index.html

今は、わからないようになっている。理由は簡単だ。身辺警護上の理由である。

まず言えることは、政府主催会議、来客対応の多さである。各国の要人、陳情、民間人の表敬訪問である。人に会うのは、要職にある者の責務でもある。来客対応は、1日のうち、数時間は、そうなっているのではないかと思う。と考えると、月のうち7日程度は、そうカウントされるべきだろう。


政府主催会議の他に職務的には、閣議対応、国会対応、外交活動が存在する。

閣議対応は、閣議が週2回くらい、事前のブリーフィング、記者会見等を考慮すると、1回3時間くらいの対応は余儀なくされるだろう。
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/index.html

これについては、月3日分くらいの業務量に相当すると予想する。

続いて、国会対応について述べる。

会期は以下にて参照できる。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/kaiki.htm

平成28年は既に150日
平成27年は245日
平成26年は207日
平成25日は211日
が会期として設定された。
1年のうち60%が国会対応であることがわかる。

法案的には、内閣提出法案が存在する。
http://www.clb.go.jp/contents/

長期開催される国会であれば、1国会で数十件もの法案に対処することになる。首相は閣法なので目を通すはずだ。

このうち、本会議などでの質疑対応を考慮し、首相が拘束される時間を仮に50%とすると、月換算すれば18日程度、国会開催され、そのうち9日程度が首相対応時間と推定される。



次に、外遊実績を眺めたい。

―――――――――――――――――

総理大臣の外国訪問一覧
 (2006(平成18)年1月から2016(平成28)年5月まで)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/page24_000037.html


2016年

5月1日-5月7日 41 欧州及びロシア訪問
3月30日-4月3日 40 米国核セキュリティ・サミット出席

 2015年

12月11日-13日 39 インド訪問
11月29日-12月2日 38 COP21首脳会合出席(フランス)及びルクセンブルク訪問
11月18日-23日 37 フィリピンAPEC首脳会議及びASEAN関連首脳会議(マレーシア)出席
11月13日-17日 36 トルコ訪問及びG20アンタルヤ・サミット出席
11月1日-2日 35 日中韓サミット出席(韓国)
10月22日-28日 34 モンゴル及び中央アジア5か国訪問(トルクメニスタン,タジキスタン,ウズベキスタン,キルギス,カザフスタン)
9月26日-10月2日 33 第70回国連総会出席(米国)及びジャマイカ訪問
6月5日-9日 32 ウクライナ訪問及びG7エルマウ・サミット出席(ドイツ)
4月26日-5月3日 31 米国訪問
4月21日-23日 30 アジア・アフリカ会議60周年記念首脳会議出席(インドネシア)
3月29日-30日 29 故リー・クァンユー元シンガポール首相国葬への参列
1月16日-21日 28 中東(エジプト,ヨルダン,イスラエル,パレスチナ自治区)訪問

 2014年

11月9日-17日 27 APEC首脳会議(中国),ASEAN関連首脳会議(ミャンマー)及びG20首脳会合(豪州)出席
10月15日-18日 26 第10回アジア欧州会合(ASEM)首脳会合出席(イタリア)
9月22日-27日 25 第69回国連総会出席(米国)
9月6日-8日 24 バングラデシュ及びスリランカ訪問
7月25日-8月4日 23 中南米(メキシコ,トリニダード・トバゴ,コロンビア,チリ,ブラジル)訪問
7月6日-12日 22 ニュージーランド,豪州及びパプアニューギニア訪問
6月3日-7日 21 G7ブリュッセル・サミット出席(ベルギー),イタリア及びバチカン訪問
5月30日-31日 20 シンガポール訪問
4月29日-5月8日 19 ドイツ・英国・ポルトガル・スペイン・フランス及びベルギー訪問
3月23日-26日 18 核セキュリティサミット出席等(オランダ)
2月7日-9日 17 ソチ・オリンピック開会式出席等(ロシア)
1月25日-27日 16 インド訪問
1月21日-23日 15 ダボス会議出席(スイス)
1月9日-15日 14 オマーン・コートジボワール・モザンビーク・エチオピア訪問

 2013年

11月16日-17日 13 カンボジア・ラオス訪問
10月28日-30日 12 トルコ訪問
10月6日-10日 11 APEC首脳会議等(インドネシア)及びASEAN関連首脳会議(ブルネイ)出席
9月23日-28日 10 カナダ訪問及び国連総会出席(米国)
9月4日-9日 9 G20サンクトペテルブルク・サミット及びIOC総会出席(ロシア・アルゼンチン)
8月24日-29日 8 中東・アフリカ諸国訪問(バーレーン・クウェート・ジブチ・カタール)
7月25日-27日 7 マレーシア・シンガポール・フィリピン訪問
6月15日-20日 6 G8ロック・アーン・サミット出席及び欧州諸国訪問(ポーランド・アイルランド・英国)
5月24日-26日 5 ミャンマー訪問
4月28日-5月4日 4 ロシア及び中東諸国(サウジアラビア・アラブ首長国連邦・トルコ)訪問
3月30日-31日 3 モンゴル訪問
2月21日-24日 2 米国訪問
1月16日-19日 1 東南アジア訪問(ベトナム・タイ・インドネシア)

―――――――――――――――――

毎月1回、数日のペースでの外遊が続いた。すなわち、月のうち1週間、月の1/4、日数にして7日分は各国との首脳会議、首脳会談に費やされていると見ていいだろう。

では、自民党総裁としての職務は、というと幹事長、政務調査会長、総務会長に任せているが、党大会、総裁として指定する重要事案についての決裁、選挙対策対応など、平均して月4日は、とられると推定する。

次に休日ついてカウントしなくてはならない。年齢的に毎週1日は完全休養が必要だとして、月のうち5日は、物理的にそうなる。

遊びはというと、ゴルフする人なら月1回、確保するだろう。


ここで、これまで取り上げてきた業務量の集計を試みる。

―――――――――――――――――――――――――
政府主催会議、表敬訪問対応 7日
閣議対応          3日
国会対応          9日
外遊            7日
自民党総裁         4日
休養            5日
ゴルフ           1日
―――――――――――――――――――――――――
計            36日

これは、月ベースの集計値である。

偶然であるが、一発でこの数値になった。首相は、いつ寝るのだろう、ということになる。サラリーマンベースで言うと、平均的に3時間は残業を余儀なくされていると予想する。

安倍首相の場合、落ち着いて考えられる時間を見出すのは、ほとんど不可能なようだ。それでも睡眠は、8時間程度はあると予想する。

では、落ち着いて考える時間がまったく確保できない状況で、思考力の源泉をどこに求めるか?
第一次安倍政権崩壊後の失意の期間、安倍首相は、もし、将来もう一度機会が与えられた時に備え、本を読み、人の話を聞き、考え、作文されたのだろう。

特に、安倍外交を肯定的に評価される方は、もうお気づきであろう。
安倍首相には、時間が足りないのである。
安倍首相は、馬淵睦夫が書いた外交指南書を拠り所に、最後の希望の旅として私的な時間を極限まで削って、安倍外交を消化しているとみなさざるを得ないのである。

そう考えると、安倍首相は、

・外交日程消化
・国会での重要法案の質疑(アベノミクス関連、消費税関連、特定秘密保護法、テロ3法、平和安全法制、集団的自衛権の解釈変更など)


で手一杯で、時に売国的と批判される個別法案のことまで手が回らないと私は見ている。

もちろん、政権も自民党は、集団でかつ分担して仕事を処理している。ただし、これには、部分的には売国法案、中韓寄りの施策が含まれている。

ここで、問いたい。政権としてのの仔細な売国、中韓寄りのの施策すべてを安倍首相のせいにできるのであろうか?

確かに、売国政策、中韓寄りの施策の存在は、問題ではある。

しかし、安倍首相は一人の政治家として、歴代のどの首相よりも消化していることが多い。福田康夫あたりと比較すれば一目瞭然だ。

その内訳はこうなっているはずだ。

・安倍外交(月のうち7日)
・アベノミクス関連、消費税関連、特定秘密保護法、テロ3法、平和安全法制、集団的自衛権の解釈変更など

これだけではない。まだある。

―――――――――――――――――

・安倍首相によるアメリカ議会演説
・安倍首相の戦後70年談話
・慰安婦問題日韓合意
・G7外相会議の広島実施
・伊勢志摩サミット
 ・G7首脳による伊勢神宮訪問
・オバマの広島訪問
・被爆者関係者とオバマとの面会

―――――――――――――――――

かように壮大な政治手腕、見事としか言いようがない。

これでも私は、安倍政権について、部分肯定部分否定派である。


では、我々はすべきことは何か?
かように多忙な方に対し、根拠や理由の提示なく対処を求めても、首相として気乗りしない場合、なしのつぶてに終わると予想する。
ある政治的な課題があったとして、それが政治的に重要な問題だった場合、問題の所在を特定、分析し動向予想し、対策等の立案、シナリオ構築、スケジュール策定などが必要となる。

なぜなら、首相は、一人でできる限界ぎりぎりのところで職務をこなしている可能性大であるからだ。

従って、支持するにせよ、部分的に批判するにせよ、我々もそれ相応の負荷を負うべき政治状況であることを指摘し、本稿を終える。

以上


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