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2017.09.06 (Wed)

北朝鮮問題  外患罪改正に係わる着目点 

以前、外患罪での摘発を促す原稿を出したことがある。
本稿では、外患罪の条文にある、「武力行使」という言葉に着目して、私的見解を述べたい。

外患罪については、保守系ブロガーの中で同様のテーマで出稿された方もいた。適用条件等について説明している弁護士もいる。

―― 参考情報 ――――――――――

外患誘致罪の定義|必ず死刑となる重大犯罪の適用条件
https://keiji-pro.com/columns/89/

刑法に定められた刑罰は「死刑」のみ・・・「外患誘致罪」ってどんな罪?
https://www.bengo4.com/c_1009/n_1772/

―――――――――――――――――

たとえば、武力行使に係わる外患罪での摘発については、まず、何を以て武力行使したかとする、要件定義が存在するはずだ。
刑法を読んでみたい。


||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s2.3

第三章 外患に関する罪
 
(外患誘致)

第八一条 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

(外患援助)

第八二条 日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

第八三条 削除

第八四条 削除

第八五条 削除

第八六条 削除

(未遂罪)

第八七条 第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

(予備及び陰謀)

第八八条 第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

第八九条 削除

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

この条文には、武力の行使に係わる定義はない。

そこで、「武力行使」という言葉だけで、犯罪定義として明確であるのかどうか、という視点で考えたい。

武力行使を以て、我が国の領土を占領、国民の生命と財産を奪ったという、国民各層が納得するレベルである場合なら、検察は動かざるを得ないだろう。

一方、武力行使され戦闘状態にあり、放送局が乗っ取られていると政府がみなすなら、自衛隊として、放送局を攻撃、全員捕縛するということになる。当然予想されることだが、外患罪で摘発して最高裁まで10年もかかって争う前に、常識的に考えて戦争は終わっている。戦勝国にならなければ、外患罪は無意味な法律となる。



が、武力行使が領空侵犯、領海侵犯程度ならどうか、ミサイル発射実験という口実でもそうなのか?ということである。



では、Jアラート動作を以て、武力行使とするのか?、政府は、武力行使されたと発表しなくていいのかという、手続き上の問題が存在する。
しかし、この法律には、該当条文はない。



上空通過された国は、当然、武力行使されたと見解を述べるべきだ。政府は、Jアラート動作を以て、武力行使されたすべきだ。
そう考えるならば、ミサイル発射実験という口実が武力行使とするならミサイル発射試験の日本人協力者についても、武力行使の協力者であると解釈しうる犯罪定義にしなくてはならない。
政府が武力行使だと閣議決定した瞬間に、当該ミサイル発信試験を肯定するマスコミ関係者たちを外患罪容疑者とできるかもしれない。

要するに、武力行使の定義、武力行使された事実認定としての政府見解が必要ではないかと考えるのである。


さらに、外患罪について武力行使を伴わない行為については、こういう見方ができるかもしれない。
外患罪は、犯罪要件定義一つとっても、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の定義と比較すると、曖昧過ぎる部分がある。外患罪は、明らかに武力行使とセットでの法律であり、(武力行使を伴わない)行為までは明確に規定していないと読める。すなわち、平時に適用しうる法律として設計されていない。これまで外患罪での摘発がなかったのは、法律の定義を中心に、法律としての表現の不十分さが関係しているのではないかと推定する。



外患罪を法改正すべきであると拙ブログが主張してきた理由、お気づきになられたであろうか?



外患罪を適用する場合は、当該国との外交関係が遮断されていない限り、外交問題に発展することが予想される。ある国籍の外国人を外患罪で摘発すると、当該国に居住ないし旅行している日本人が拘束され、報復措置として当該国での外患罪に相当する罪によって、死刑とされる可能性もある。戦争は、外交関係を閉ざした後の、最後の手段である。外交関係を閉ざすことは、リスクを伴うことを承知しなくてはならない。

従って、現外患罪は、武力行使を前提としている点において、犯罪定義においてオールマイテイでなく?、外交関係の影響を受ける可能性大であり、政権も検察も適用に躊躇する可能性大の法律であるのだ。



とりあえず、自分なりの見解を纏めてみたい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

外患罪改正に係わる着目点

・外患罪で最高裁まで時間をかけて争うより、自衛隊の投入により、武力で処置した方が、現実的ではないか?
・外患罪の設計に当たっては、当該国と戦闘状態にあり武力行使を伴うもの(当然死刑)、当該国と戦闘状態になく武力行使を伴わないもの(死刑とはならないもの)について、それぞれ犯罪定義をより精緻に明らかにすべきである
・武力行使の要件は多岐にわたるのではないか(領空通過のミサイル発射実験を含めるのか)
・武力行使されたとする政府認定をどうするか(武力行使されたと閣議決定するのかしないのか)
・武力行使されたとする根拠をどこに求めるのか(Jアラート動作を根拠とするのか)
・外患罪で起訴した事案について、外交関係の影響を受けず、犯罪捜査が滞りなくかつ遅滞なく行え、最高裁まで公判維持できるのか?
・最高裁まで争っているうちに戦争は終わってしまっており、戦勝国になるかならないかで外患罪の決着がついてしまうことはないのか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

以上

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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

02:13  |  法整備  |  トラックバック(0)  |  コメント(8)

Comment

現実的には

戦闘中ならば、防衛出動時の権限で国際法に基づいた合理的な行動の範囲内ならば、外患援助者は戦死させることが出来る。
誘致者も誘致だけして、自らは共に行動しないということは考えづらいので、同様に処置することは可能。
Suica割 |  2017.09.06(水) 11:58 | URL |  【編集】

Re: 現実的には

> 戦闘中ならば、防衛出動時の権限で国際法に基づいた合理的な行動の範囲内ならば、外患援助者は戦死させることが出来る。
> 誘致者も誘致だけして、自らは共に行動しないということは考えづらいので、同様に処置することは可能。


情報ありがとうございます。

管理人 |  2017.09.06(水) 12:34 | URL |  【編集】

すいません。

敵と共に、武装して行動しているという前提での話です。
Suica割 |  2017.09.06(水) 12:46 | URL |  【編集】

Re: すいません。

> 敵と共に、武装して行動しているという前提での話です。

そうですよね。
管理人 |  2017.09.06(水) 17:46 | URL |  【編集】

先の大戦期の事例を見れば

間接的に、過激派や特殊工作員による「テロ活動」等を支援、誘発させたり、国防力を削ぐような活動(民主党政権時代の事業仕分け、自衛隊の活動妨害等)を行っていた場合も、「広義の武力行使」に当たる可能性も有ると思いますが、現在の外患罪の条文では「実際の対外的武力行使」程度しか「適用」できるような雰囲気ではないと思います。

しかし、どう考えても「実際の武力行動」に移されてから「適用の可否」を検討し始めても「手遅れ」である事は明白でしょう。

我が国が戦勝国にならなかった場合、嘗ての大戦後のGHQによる「共産主義者の釈放」と「公職追放」のような「相当な危険性」が訪れてしまう可能性が高く、それが「北朝鮮」のような独裁国家であった場合、体制側の人間や国民を全て「粛清(処刑)」される可能性も高い(事実、先の大戦ではソ連の侵攻が計画されていました(米国が勝利した事と、本国の情報解析によってGHQ内のソ連のスパイがあぶりだされ、その後、GHQおよび公職追放後の関係機関に就いた共産主義者のレッドパージが行われたため、あと一歩のところで失敗しましたが))わけで、この法律は、実際には無意味な条文になる可能性が高いです。

摘発対象者のスパイ活動(国防情報収集等)をどの程度のレベルまで含めるかという問題もありそうですが、「中心人物(本国の指令を受け、実際の武力行使活動を援助(工作員の潜入工作支援、隠避、武器や国家機密の提供等)している人物、当然死刑)」、「間接的援助(直接武力行使を援助していないが、間接的に金銭などの援助している人物、死刑対象外、懲役刑等)」、「交友関係のみの人物(工作員等と交友関係はあるものの、工作活動の支援などを行っていない人物、外患罪適用対象外)」というように分けた上で、確実に「自由に泳がせた場合」に、国家機能に危険を及ぼす可能性が高い人物から、「外患罪適用対象」として「リストアップ」していく必要があるように思います。

北の有事に動くのは、北だけでなく、南、支那、ロシア、国内極左系、朝鮮総連等の在日組織が一斉に動く事を想定しなければなりません。

北朝鮮は別としても、支那やロシアなどの場合は、有事の「邦人拘束」の可能性がある為、適用には慎重を期す必要がある事は理解できます。

関係者のリストアップと、法改正(死刑以外の適用条件を追加)が必要になるのは間違いないだろうと思います。
西 |  2017.09.06(水) 23:42 | URL |  【編集】

Re: 先の大戦期の事例を見れば

> 間接的に、過激派や特殊工作員による「テロ活動」等を支援、誘発させたり、国防力を削ぐような活動(民主党政権時代の事業仕分け、自衛隊の活動妨害等)を行っていた場合も、「広義の武力行使」に当たる可能性も有ると思いますが、現在の外患罪の条文では「実際の対外的武力行使」程度しか「適用」できるような雰囲気ではないと思います。
>
> しかし、どう考えても「実際の武力行動」に移されてから「適用の可否」を検討し始めても「手遅れ」である事は明白でしょう。
>
> 我が国が戦勝国にならなかった場合、嘗ての大戦後のGHQによる「共産主義者の釈放」と「公職追放」のような「相当な危険性」が訪れてしまう可能性が高く、それが「北朝鮮」のような独裁国家であった場合、体制側の人間や国民を全て「粛清(処刑)」される可能性も高い(事実、先の大戦ではソ連の侵攻が計画されていました(米国が勝利した事と、本国の情報解析によってGHQ内のソ連のスパイがあぶりだされ、その後、GHQおよび公職追放後の関係機関に就いた共産主義者のレッドパージが行われたため、あと一歩のところで失敗しましたが))わけで、この法律は、実際には無意味な条文になる可能性が高いです。
>
> 摘発対象者のスパイ活動(国防情報収集等)をどの程度のレベルまで含めるかという問題もありそうですが、「中心人物(本国の指令を受け、実際の武力行使活動を援助(工作員の潜入工作支援、隠避、武器や国家機密の提供等)している人物、当然死刑)」、「間接的援助(直接武力行使を援助していないが、間接的に金銭などの援助している人物、死刑対象外、懲役刑等)」、「交友関係のみの人物(工作員等と交友関係はあるものの、工作活動の支援などを行っていない人物、外患罪適用対象外)」というように分けた上で、確実に「自由に泳がせた場合」に、国家機能に危険を及ぼす可能性が高い人物から、「外患罪適用対象」として「リストアップ」していく必要があるように思います。
>
> 北の有事に動くのは、北だけでなく、南、支那、ロシア、国内極左系、朝鮮総連等の在日組織が一斉に動く事を想定しなければなりません。
>
> 北朝鮮は別としても、支那やロシアなどの場合は、有事の「邦人拘束」の可能性がある為、適用には慎重を期す必要がある事は理解できます。
>
> 関係者のリストアップと、法改正(死刑以外の適用条件を追加)が必要になるのは間違いないだろうと思います。


西さんは外患罪改正に肯定的だったのですね。
「外患罪適用対象」として「リストアップ」作業しておくことは、国策として重要なことだと思います。
管理人 |  2017.09.07(木) 09:14 | URL |  【編集】

一旦、今までの刑法の条文から離れて考えた方が良いかもしれません

外患誘致や援助は、外国の侵略に荷担して、民主的に設立された日本政府を打倒もしくは、加害をなす行為といえる。

内乱は、暴力により民主的に設立された日本政府を打倒もしくは、加害をなす行為といえる。

内乱の場合でも、一部地域の独立を求め、外国政府の援助のもと、反乱を起こした場合、間接侵略と区別がつきにくい。(その外国政府が進駐した場合)

合法的に成立した政府を暴力により打倒する行為を罰するための法律のように分けて、総合的に精緻に組み立てる方が良いようにも思う。
Suica割 |  2017.09.09(土) 14:56 | URL |  【編集】

Re: 一旦、今までの刑法の条文から離れて考えた方が良いかもしれません

> 外患誘致や援助は、外国の侵略に荷担して、民主的に設立された日本政府を打倒もしくは、加害をなす行為といえる。
>
> 内乱は、暴力により民主的に設立された日本政府を打倒もしくは、加害をなす行為といえる。
>
> 内乱の場合でも、一部地域の独立を求め、外国政府の援助のもと、反乱を起こした場合、間接侵略と区別がつきにくい。(その外国政府が進駐した場合)
>
> 合法的に成立した政府を暴力により打倒する行為を罰するための法律のように分けて、総合的に精緻に組み立てる方が良いようにも思う。

Suica割さんのご指摘のとおりと思います。
拙ブログでの提言、内乱罪とセットの方が良かったかもしれません。
内乱罪も検察が摘発しようとしないのも、条文が不十分でないことが原因にあるように思います。
警察での対処範囲、自衛隊出動、いろいろ課題がありそうです。
管理人 |  2017.09.11(月) 05:41 | URL |  【編集】

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