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2016.05.22 (Sun)

安倍政権はNHKを手中にしたのではないのか?

本稿、衆議院で審議中の放送法改正案に係わる私見として述べさせていただく。

「放送法の一部を改正する法律案」については、マスコミがまったく報道しない事態となっている。
だからどうなんだ、という意見はあるが、マスコミが報道しないのであるなら、なおさら、ブログ界が問題意識を持ち先導しなくてどうするのか?と私は言いたい。

従って、本稿、マスコミ不報道問題を問題視される方、特にNHKの偏向報道問題について関心ある方、お読みいただけることを推奨する。

まず、衆法として審議中の全文読みたい方は、「第190国会 議案」で検索いただきたい。

改正案が提出された当該条文、とりあえず気になる箇所について、現行、改正案について、併記させていただく。


放送法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html

放送法の一部を改正する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18901010.htm


―――――――――――――――――

■現行

(定款)

第十八条   協会は、定款をもつて、次に掲げる事項を規定しなければならない。
一   目的

二   名称

三   事務所の所在地

四   資産及び会計に関する事項

五   経営委員会、監査委員会、理事会及び役員に関する事項

六   業務及びその執行に関する事項

七   放送債券の発行に関する事項

八   公告の方法

2   定款は、総務大臣の認可を受けて変更することができる。


■今回改正案

第十八条第一項第五号中「監査委員会」の下に「、会長指名委員会」を加える。

―――――――――――――――――

■現行

(監査委員による役員の行為の差止め)

第四十六条   監査委員は、役員が協会の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該役員に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

■今回改正案

第四十六条の次に次の一条を加える。

 (理事会への出席義務等)

第四十六条の二 監査委員会が選定する監査委員は、理事会に出席しなければならない。

2 前項の監査委員は、理事会の終了後、遅滞なく、その経過及び結果について、経営委員会に報告しなければならない。

―――――――――――――――――

■現行

(会長等)

第五十一条   会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する。

2   副会長は、会長の定めるところにより、協会を代表し、会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代行し、会長が欠員のときはその職務を行う。

3   理事は、会長の定めるところにより、協会を代表し、会長及び副会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長及び副会長に事故があるときはその職務を代行し、会長及び副会長が欠員のときはその職務を行う。

4   会長、副会長及び理事は、協会に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。

■今回改正案

 第五十一条第四項を同条第五項とし、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 会長は、定款の定めるところにより、協会の重要業務の執行に関する事項について決定をしようとするときは、理事会の議を経なければならない。

―――――――――――――――――

■現行

第五十二条    会長は、経営委員会が任命する。

2   前項の任命に当たつては、経営委員会は、委員九人以上の多数による議決によらなければならない。

3   副会長及び理事は、経営委員会の同意を得て、会長が任命する。

4   会長、副会長及び理事の任命については、第三十一条第三項の規定を準用する。この場合において、同項第六号中「放送事業者、認定放送持株会社、第百五十二条第二項に規定する有料放送管理事業者若しくは新聞社」とあるのは「新聞社」と、「十分の一以上を有する者」とあるのは「十分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)」と、同項第七号中「役員」とあるのは「役員(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)」と読み替えるものとする。

■今回改正案

第五十二条に次の一項を加える。

5 理事には、その任命の際現に次の各号のいずれにも該当しない者が含まれるようにしなければならない。

 一 協会の役員又は職員である者(任命の日以前十年間においてこれらに該当した者を含む。)

 二 協会の子会社の役員又は職員である者(任命の日以前十年間においてこれらに該当した者を含む。)

―――――――――――――――――

■現行

第五十三条    会長及び副会長の任期は三年、理事の任期は二年とする。

2   会長、副会長及び理事は、再任されることができる。

3   会長は、任期が満了した場合においても、新たに会長が任命されるまでは、第一項の規定にかかわらず、引き続き在任する。

■今回改正案

 第五十三条に次の一項を加える。

4 理事が再任される場合において、当該理事がその最初の任命の際現に前条第五項各号のいずれにも該当しなかつたときの同項の規定の適用については、その再任の際現に同項各号のいずれにも該当しない者とみなす

―――――――――――――――――

■現行

第五十五条    経営委員会は、会長、監査委員若しくは会計監査人が職務の執行の任に堪えないと認めるとき、又は会長、監査委員若しくは会計監査人に職務上の義務違反その他会長、監査委員若しくは会計監査人たるに適しない非行があると認めるときは、これを罷免することができる。

2   会長は、副会長若しくは理事が職務執行の任にたえないと認めるとき、又は副会長若しくは理事に職務上の義務違反その他副会長若しくは理事たるに適しない非行があると認めるときは、経営委員会の同意を得て、これを罷免することができる。

■今回改正案

第五十五条第一項中「監査委員」の下に「、会長指名委員」を加え、「とき、」を「とき」に改め、同条第二項中「たえない」を「堪えない」に、「とき、」を「とき」に改める。

―――――――――――――――――

■現行

(服務に関する準則)

第六十二条   協会は、その役員及び職員の職務の適切な執行を確保するため、役員及び職員の職務に専念する義務その他の服務に関する準則を定め、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

■今回改正案

第六十二条中「義務」の下に「、役員の法令及び定款を遵守して協会のため忠実に職務を行う義務」を加え、同条に次の一項を加える。

2 前項に規定する役員の服務に関する準則には、協会の放送の不偏不党、真実及び自律に関し国民の疑惑又は不信を招くような行為を防止するために役員が遵守すべき事項が含まれるものとする。

―――――――――――――――――

■現行

該当なし

■今回改正案

 第九章の次に次の一章を加える。

   第九章の二 日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会

 (設置)

第百七十三条の二 総務省に、日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会(以下この章において「選定委員会」という。)を置く。

 (所掌事務)

第百七十三条の三 選定委員会は、第三十一条第六項の規定による総務大臣の諮問に応じ、経営委員会の委員の候補者の選定について調査審議する。

―――――――――――――――――

改正理由にはこう書かれている。

―――――――――――――――――

日本放送協会の経営委員会の委員及び会長の任命、会長等の職務の執行、役員の服務等の適正を確保するため、日本放送協会経営委員会委員候補者選定委員会の設置等による経営委員会の委員の選定に関する手続の見直し、会長指名委員会の設置等による会長の任命及び罷免に関する手続の見直し並びに政党及び政治団体に係る経営委員会の委員の資格の見直し並びに監査委員の理事会への出席等の義務化、理事会の役割の見直し及び外部理事の任命の義務化を行うとともに、役員の服務に関する準則において定める事項を明らかにする等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

―――――――――――――――――

一応、網羅的な改正理由が書かれている。


ここで、改正箇所毎に、解釈を行う。

―――――――――――――――――

■18条の改正
会長任命の手続きの適正化を目指していると解釈

■46条の改正
監査委員による役員の行為の差止めを強化する形で、監査委員の理事会出席義務と経営委員会への報告義務が明確化されたと解釈

■51条の改正
会長独断での重要事項決裁を禁止したと解釈

■52条の改正
理事は外部委員から選ぶことを明文化したと解釈(NHKを退職して10年経過した者は、理事資格ありと読める)

■53条の改正
理事の再任規定

■55条の改正
罷免規定の明文化、「たえない」を「堪えない」と字句訂正することで、罷免の実効性を上げることを狙っていると解釈

■62条の改正
「役員及び職員の服務」について、「役員の法令及び定款を遵守して協会のため忠実に職務を行う義務」と準則に、「協会の放送の不偏不党、真実及び自律に関し国民の疑惑又は不信を招くような行為を防止するために役員が遵守すべき事項が含まれこと」を明記したと解釈

■第百七十三条の二
総務省は経営委員の選定を通じて、NHKを監督する?と解釈

―――――――――――――――――


今回の改正について、総括させていただく。

―――――――――――――――――
―――――――――――――――――

・職務権限的には、経営委員会が、最上位にあると読める内容になった。拙ブログは、これまで、経営委員の権限強化を提言してきたがそれが実現すると解する。

・監査委員は、これまで期待されていた、理事会や会長、理事の暴走の歯止めとなるだけでなく、経営委員会と理事会を繋ぐ橋渡し役として機能することになる。

なお、NHK監査委員は、経営委員から選ぶシステムとなっている。

―――――――――――――――――

http://www.nhk.or.jp/kansa-iinkai/about/regulation.html

第2条 (組織)
1  監査委員会は、監査委員3人以上をもって組織する。
2  監査委員は、経営委員会の委員の中から、経営委員会が任命し、そのうち少なくとも1人以上は、常勤とする。

―――――――――――――――――

・会長独断での決裁を禁止することで、すべての重要事項について経営委員会の方針に従属する体制が確定した(これによってNHK放送センター移転が白紙化する可能性がある)

・会長は指名委員会、理事は外部からの任用が義務化され、生え抜きがなれそうなのは副会長ポストくらいとなった(不祥事が続出したのに、NHK執行部が真摯に対応しなかったため、生え抜き登用の道が閉ざされたのは仕方あるまい)

・総務省は経営委員の選定を通じて間接統治みたいな管理を指向

―――――――――――――――――
―――――――――――――――――

以上が、私見での解釈である。

本改正案は、衆議院で審議中の文案の一部を再編集したものであり、本案どおり可決成立するかどうかは、不透明な部分はある。

が、しかし、もし、本案どおりだとすると、

・経営委員会が、権限的に最上位となることが確定する結果、今後NHK会長が、記者会見にて自説を披露する機会が激減すること
・罰則規定に言及がないため、NHKの偏向報道の根絶には、まだ時間を要すること
・外部理事任用が明確化された結果、NHK職員は上層部の意向に従わざるを得ない点において、不祥事の予防措置にはなること
・経営委員会が提案すれば、NHKの高すぎる給与の是正に向かう可能性が高いこと
・経営委員会が主張すれば、放送センター移転、ネット視聴者への受信料賦課等は、白紙化される可能性があること

を指摘し、本稿を終える。

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08:15  |  法整備  |  トラックバック(1)  |  コメント(0)

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