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2017.05.02 (Tue)

「渡部昇一」先生の「名言」

渡部昇一先生はたくさんの本を残されました。
その中から名言と言えるものを特定することは、難しいのですが、渡部昇一先生がテーマ的に特にこだわった、歴史教育、歴史の虹、愛国心教育について述べた、下記の一文は、名文かつ名言と
思うので、紹介いたします。


||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

教育を救う保守の哲学 教育思想の禍毒から日本を守れ

中川八洋、渡部昇一共著


「美しき虹」、そして愛国心ーあとがきに代えて 渡部昇一

歴史教育とは、単に歴史上の事実を無差別に教えることではありません。それは、自国の子供たちに愛国心と祖国への誇りを持たせるための知的洗礼でなくてはならないと思います。私の尊敬するイギリスの思想家オーエン・バーフィールドは、その著書"Saving the Apperrances"で次のような趣旨のことを言っています。

「歴史的事実とは、雨上がりの空に浮かぶ無数の水滴のようなものである。水滴だけでは歴史にならない。この水滴の一部が太陽の光にあたってつくる美しき虹ー共同表象の体系(a system of collective representations)-になる。この虹が歴史なのである。」

義務教育における歴史教育は、事実を無差別に教えればよいというものでなく、自分の国の歴史を「美しい虹」のように見る体験を与えることなのです。「美しい虹」を見ないで育った子供は、健全な人格を持つ人間にも正しき国民にもなることはできません。だから、米国の歴史教育は、バーフィールドの言う通りに、アメリカの国体(constitution)に誇りを持ち、愛国心が大樹のように成長するような「美しき虹」-共同表象の体系ーをしっかりと見せる教育となっています。この米国の歴史教育はとても健全だと思います。

ところが、日本の学校における歴史教育は逆です。決して「美しき虹」を見せないように、歴史的事実を悪意を以て恣意的に取捨選択して、さらにそれを歪曲する操作の手を加えるのが通常だからです。その上に、日本の祖先たちがこれまで見てきた「美しき虹」までも見せないようにしてきました。古代の「日本の虹」は。『古事記』であり『日本書紀』でした。近世にあっては、頼山陽の『日本外史』であり水戸藩編纂の『大日本史』が虹でした。しかし日本の子供たちは、これら日本の祖先が見てきた「日本の美しき虹」を見ることができません。教えないからです。
米国に学ぶべきことは、もう一つあります。愛国心教育です。米国では、幼稚園児や小学生は、毎朝、次の文句で学校で星条旗に忠誠を誓います。また、学級ごとに星条旗がいつも掲揚されていますから、それに向かって大きい声で誓うのです。
「私は、アメリカ合衆国の国旗およびそれが代表するところの共和国(米国)に対して、すなわち、すべての国民に正義と自由とを与える、神によって分かたれざる一つの国家(米国)に対して、忠誠を誓います。
米国の愛国心の強さは、この国旗忠誠教育ー公民教育の一つーの成果であろうと思います。

中略

国家は”精神の共同体”ですし、国家の活力も永続する生命力も”父祖”との精神の絆の上に生まれてきます。そして、愛国者Patriotの語源がギリシア語のPatrios(父に属する)やPatriotes(同胞)であり、つまり”愛国者”とは「父祖」とつながっていることの意であることを考えれば、日本の国家再生が父祖の遺骸と精神の宿るこの国を愛する”愛国心の復権”であるのは明白なことです。
この意味で、これからの義務教育は、戦後日本が喪失させられた、または忘却してきた愛国心(Patriotism)ーnationalismではないーの教育が最優先されなくてはならないのではないでしょうか。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


国会では、1ヵ月以上、森友騒動で明け暮れています。
が、渡部昇一先生が、もし、学校の理事長か理事、寄付の呼びかけ人であったら、騒動にさえならず、首相夫人が口利きするような事にはならなかったと予想します。
あの幼稚園で、教育勅語を暗唱させることがいいことか、悪いことか、ここで述べることはしませんが、教育者としては、幼稚園児には幼稚園児にふさわしい、小学生には小学生にふさわしい、中学生には中学生にふさわしい、高校生には高校生にふさわしい、「美しい日本の虹」を示す必要があると考えます。

それが、教育者としての努めであるからです。

一方で、教育というものは、年少者だけに課されるものではないという見方をすれば、「美しい虹」を見て育っていない、(私を含めた)戦後世代は、それぞれが努力し、渡部昇一先生が発見した「美しい日本の虹」を探し求める作業に着手する必要があるでしょう。

方法はいろいろあります。

全国の寺社仏閣を訪ねること
家系図を作成するなど、先祖の地を訪ね墓参りすること
テーマを持って歴史研究すること
日本の古典を学び直すこと等々

ここ数年、外交問題化した歴史認識問題の根深さ、深刻さから歴史書を読む機会が増えましたが、本稿で紹介した一文は、渡部昇一先生が書いた文章の中で、力強さ、歯切れの良さの点で突出しており、日本国民として歴史を学ぶ意味、歴史教育の意義を説明する「名言」として語り継がれるべきでしょう。

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