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2016.05.10 (Tue)

安倍外交 訪欧・訪露の成果について

拙ブログは、安倍外交については、過去の日本のどの政治家よりも巧み、秀逸と評価してきた。

今回の訪欧・訪露はどうだったか。

まず、訪問した国の順序から眺めたい。

イタリア
フランス
ベルギー
ドイツ
イギリス
ロシア

の順となっている。

重要なのを一番最後に持ってきている、印象がある。


イタリア、フランスは、ドイツ、イギリス、ロシアとの首脳会談に向けた地ならし、調子を整えるための演説の練習みたいなもの?かもしれない。

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日伊首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/we/it/page4_002001.html

日仏首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/we/fr/page4_002007.html

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イタリア、フランス首脳との話題は、サミット事前調整、ウクライナ問題に係わる情勢確認が中心となっている。
豪州での潜水艦受注競争の件は、どう矛を収めるのか。「日仏友好160周年である2018年に日本文化の粋を集め,大規模に紹介する「ジャポニズム2018」をパリで開催」は、フランス側としての誠意の印と見るべきかもしれない。

腹の底ではドス黒い悪意、しかし、表面的には爽やかな交流拡大を演出、これが外交の世界なのである。


EUとの首脳会談については、経済的側面からのやりとりが中心。

日EU首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/ep/page12_000013.html


ベルギーとの首脳会談については、テロ対策が話題に上っている。
―――――――――――――――――

日・ベルギー首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/ep/page1_000186.html

3 テロとの闘い
 安倍総理から,G7伊勢志摩サミットでもテロ対策は最大のテーマの一つであり,G7として力強いメッセージを発出したい旨述べると共に,テロとの闘いにおける我が国の取組を説明しました。ミシェル首相は,G7における安倍総理のイニシアティブを支持する旨述べました。両首脳は,テロ対策に関する二国間協議を年内に開催することで一致しました。

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どうやら、安倍首相は、ベルギーのテロに係わっているかもしれない、日本人組織を根絶やしにしたいようである。こういうマメなことろは政治家は見習うべきだと思う。


次に、日独首脳会談、日仏、日伊よりは内容が濃いことに注目したい。

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日独首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/de/page4_002012.html

(2)メルケル首相からは,財政出動においては自分はフロントランナーではないが,金融政策,財政政策及び構造改革を同時に進めていくことが重要である旨述べ,特に民間投資喚起の重要性を指摘しました。また,メルケル首相から,為替の急激な変動は望ましくないとの発言があり,両首脳は,為替の安定に向け協力していくことで一致しました。

(1)安倍総理は,日独は基本的価値を共有するグローバル・パートナーであり,アジアと欧州の主要リーダーとして,国際社会の諸課題への対処において重要な役割を担っている旨述べました。両首脳は,このような認識の下,日本の「平和安全法制」(PDF)別ウィンドウで開くの成立を契機に,日独が連携して,国際社会の平和と安定に一層積極的に貢献していくことを確認し,来月に開催予定の日独外務・防衛当局者間協議を通じた対話を継続していくとともに,本年中にサイバー協議を立ち上げることで一致しました。

(3)ウクライナ情勢に関し,安倍総理は,先月訪日したポロシェンコ大統領に対し,ミンスク合意の完全履行と国内改革の加速を求めるとともに,ウクライナが改革を進める限り日本はその努力を後押しする旨述べました。メルケル首相からは,ノルマンディー・フォーマットでの努力を継続し,ウクライナが状況改善への努力とともに,選挙法改正等の改革を進めていくことが必要であると述べました。その上で,両首脳は,ウクライナに加え,シリアやISIL等についても,ロシアが建設的な役割を果たしていくことが重要であるとの認識で一致しました。

5 国連安保理改革

 両首脳は,国連安保理改革について,G4の連携が重要であるとの認識で一致し,引き続き協力していくことで一致しました。

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安倍首相は、メルケル首相とその後の情勢変化について摺り合わせを行った、ととれる。為替政策について、メルケル首相の発言があったのは収穫と言えるだろう。


日英首脳会談においては、「安倍首相は英国のEU残留が望ましいという話」が飛び出した。

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日英首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/we/gb/page4_002015.html

(1)安倍総理から,英国のEU残留・離脱に関する国民投票に関し,本件は英国民が決めることであるとした上で,強いEUに英国がいることが良い,英国がEUのメンバーであることは日本から英国への投資にとっても最善である等説明し,日本の国益の観点から英国のEU残留が望ましいという考え方を伝え,EU残留を支持するキャメロン首相から謝意が表明されました。

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メルケル首相との会談後の話であるが、ドイツやフランスに貸しを作ったということにはなるだろう。今まで、この種の動きができる政治家が日本にいなかったこと。この点だけを以て、安倍首相は、(東大は出ていないが)なかなかのやり手であろうという証左にはなるだろう。


では、メインイベントだった、日露首脳会談は、どうだったか?


安倍首相は提案者になり、プーチンが聞き役に廻っていることに、私は、注目している。

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日露首脳会談
http://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/rss/page3_001680.html

1 平和条約締結問題

(1)両首脳の間で北方領土問題について突っ込んだやり取りが行われた。その結果,これまでの交渉の停滞を打破し,突破口を開くため,双方に受入れ可能な解決策の作成に向け,今までの発想にとらわれない「新しいアプローチ」で,交渉を精力的に進めていくとの認識を両首脳で共有した。日露二国間の視点だけでなく,グローバルな視点も考慮に入れた上で,未来志向の考えに立って交渉を行うこととし,このアプローチに立って,次回の平和条約締結交渉を6月中に東京で実施することで一致した。

 (2)この関連で安倍総理から,日露双方が静かな交渉環境を維持するために互いの国民感情に配慮し,相手の国民感情を傷つけるような行動や発言を控えるべきであることを指摘した。

(1)経済分野
(ア)プーチン大統領から経済分野をはじめ幅広い分野での協力への関心が示され,安倍総理から,我が国として日露経済交流の促進に向け作業を行っていることを紹介し,8つの項目(下記注)からなる協力プランを提示した。プーチン大統領から高い評価と賛意が表明された。
 (注)(1)健康寿命の伸長,(2)快適・清潔で住みやすく,活動しやすい都市作り,(3)中小企業交流・協力の抜本的拡大,(4)エネルギー,(5)ロシアの産業多様化・生産性向上,(6)極東の産業振興・輸出基地化,(7)先端技術協力,(8)人的交流の抜本的拡大

 (イ)両首脳は,製造業,農業,エネルギーなどの分野における最近の協力プロジェクトの進捗を確認しつつ,貿易経済政府間委員会,近代化諮問会議等も活用しながら,互恵的な協力を進めていくことで一致した。

 (ウ)安倍総理から,さけ・ますの流し網の代替漁法により,日本の漁船の操業機会が確保されるよう,ロシア側の協力を要請したのに対し,プーチン大統領から,代替漁法の検討に向け日本とよく協力し,漁業分野の協力に取り組んでいきたいとの反応があった。

4 国際情勢

ウクライナ,北朝鮮,シリア,中央アジア,アフガニスタン等の国際情勢について率直な意見交換を行い,安倍総理から,国際社会の重要なプレイヤーであるロシアが様々な国際問題において建設的な役割を果たすことへの強い期待を伝達した。
(1)ウクライナ
安倍総理から,全ての当事者によるミンスク合意の完全な履行が実現し,情勢が改善することを強く期待するとして,ロシアによる武装勢力への影響力行使と情勢改善への貢献を求めた。同時に,安倍総理から,先月訪日したポロシェンコ大統領に対してもミンスク合意の完全な履行を働きかけたことを紹介した。
(2)北朝鮮
安倍総理から,北朝鮮では本日6日から党大会が行われているが,弾道ミサイル発射等の挑発行動が継続していることを深刻に受け止めており,各国による安保理決議の履行の徹底が必要である,拉致・核・ミサイルといった諸懸案の解決に向けて圧力を強化すべき,決議違反に対しては安保理が一致して明確かつ迅速なメッセージを送ることが重要である旨述べた。プーチン大統領から,北朝鮮について日露の立場は一致しており,北朝鮮による核保有,冒険的行為は認められないとの反応があり,両首脳は,北朝鮮が更なる挑発活動を行わないよう,引き続き日露で連携していくことで一致した。
(3)シリア情勢
安倍総理から,「敵対行為の停止」に向けた米露の協力を歓迎しつつ,シリアの政治プロセスにおいて,ロシアが一層建設的な役割を果たすことで事態の打開が図られることを期待する旨,また,アサド政権によると考えられる空爆で病院が被害を受け,市民が犠牲になっていることに関し,ロシアからの働きかけを要請した。
(4)中央アジア・アフガニスタン
安倍総理から,物流網の整備で中央アジアの連結性を高めつつ,テロや麻薬の流れを絶つとの目標の達成に日本も積極的に関与していることを強調し,この地域での日露の協力も進めたい旨,日本はアフガニスタンへの主要援助国であり,麻薬対策分野でも様々な協力を行っている,同分野における日露協力を今年から中央アジアにも拡大していると述べたのに対し,プーチン大統領から協力事業への高い評価が示された。

―――――――――――――――――

安倍首相は、プーチンにズケズケ言っていることがわかる。
「この関連で安倍総理から,日露双方が静かな交渉環境を維持するために互いの国民感情に配慮し,相手の国民感情を傷つけるような行動や発言を控えるべきであることを指摘した。」という字句の存在は画期的である。


今までの首相で、ここまではっきり言った政治家が何人いたのか。


さて、今回の訪欧、訪露を総括するとこうなる。

―――――――――――――――――

・その後の国際情勢の変化について、安倍首相はウオッチし、各国が意見対立する事案などについて、全体の利益となるスタンスで助言的スタンスで摺り合わせを試みているふしがあること(ウクライナ問題、シリア問題、イギリスのEU離脱の件)

・この時期、サミット主催国として、これら三ヵ国を訪問する意味は、サミットで日本だけが貧乏くじをひかされず、かつ主導的立場で事を進めること(安全保障問題、為替政策について、主体的に政権として取り組む覚悟を示している?)

・プーチンとの首脳外交については、日本側が提案者の立場に立ち、今後の日露外交について(シナリオ、条件提示等について)日本側が主導することを認めさせた?こと

・外交的発展のために障害となるような対応を、自制することを相手国に要求したこと(訪露事案)

―――――――――――――――――

これらは、世界をリードする政治家として必要かつ当然のことだ。


この中で、プーチンとの首脳会談におけるやりとりは、凄まじいの一言に尽きる。安倍首相の執念を見た気がした。安倍首相は、幼少時、祖父からこの件、託されていたのかもしれない。プーチンとのやりとりを読んだだけで、安倍政権で良かったとつくづく思う。

私は、外交の専門家ではない。語学は英語だけ。外交問題については、そもそも専門外。が、やろうと思えば、政府公開文書を眺めただけで、政権としての狙いがどの辺にあるのか、分析が可能である。


安倍首相に同行する記者(内閣記者倶楽部所属の政治記者)がきちんと報道せず、かつ現地在住の専門家が根拠不明な現地の評判しか語らず分析を怠っているようであり、

クライン孝子の外交情勢分析について
http://kenpoukaisei.blog.fc2.com/blog-entry-334.html

外交情勢分析についても国民各自が自分でするしかない、そういう時代に入ったことを指摘し、本稿を終える。

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17:10  |  外交  |  トラックバック(0)  |  コメント(1)

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Re: ご参考まで、FC2ブログ 設定の件

設定変更いたしました。
FC2の設定に係わる見落としもあり、頂戴した助言、参考とさせていただきました。
ありがとうございました。
事務局 |  2016.05.11(水) 03:13 | URL |  【編集】

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