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2016.12.22 (Thu)

日本永久占領状態は解消・無力化されつつある?

先日、北方領土返還実現シナリオを書きつつ、ある本のことを思い出した。

その本とは、片岡鉄哉が書いた「日本永久占領」=「さらば吉田茂」(1992、文芸春秋、の改訂増補版)である。


さて、この本の最後に20もの提言箇所がある。片岡は日本の行く末を暗示、提言として残したのである。

二つの重要な指摘がある。私はこう読み取った。

・吉田茂は、GHQ占領が終わった後も、軍事占領が続いていると認識、アメリカが進めようとする再軍備に消極的、アメリカの軍事力にただ乗りし?、アメリカの国力を弱めようと意図した?可能性がある。

・アメリカは、三分の二という改憲議席を必要とする憲法を押し付けることを通じて、日本を政治的に支配しようとした

話は少し飛ぶが、(日露平和条約を語るのであれば)日本は軍事占領されているという認識から交渉を始めなくてはならないと私は考えている。

ここで言う、軍事占領状態とは以下のことを指す。
―――――――――――――――――

・全国各地に在日米軍基地が点在
・在日米軍管理の空域が存在
・日米地位協定の存在
・米国の政府要人、C●A要員が横田基地経由で入国する慣例有り
・在日米軍の2000人がフリーメーソン(アメリカ支配者の別動隊?)
・国内のC●Aの活動について歯止めがない
・各国のスパイ活動がやりたい放題

―――――――――――――――――

―― 参考情報 ――――――――――

日本はロシアに対し平和条約締結を口にする資格があるのか?
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-259.html

米国戦争勢力の傀儡・安倍首相は、対米サイバー攻撃の主犯にされている露プーチンを日本に招待したのに、なぜ、怒られないのか、われら国民は疑問を持つべき!
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/36422652.html

―――――――――――――――――

すなわち、日本に防衛費全額負担を求めるトランプの主張は、巡り巡って

国民に軍事占領の事実を認識させる
ことを通じて
吉田茂の時代に遡って、日本に再軍備を迫っていると解することができるかもしれないのだ。

「さらば吉田茂」という本の中から全文ではないが、印象に残った箇所について、転載させていただく。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

さらば吉田茂 虚構なき戦後政治史
片岡鉄哉

提言

352~359頁

(二)アメリカ合衆国政府の対日占領制作とわれわれがいままで考えてきたものは、実は一貫性と合理性のあるものではない。それは米国政府執行部、とくに、ホワイトハウスと国務省と国防省の妥協の産物であった。
中略
しかし、マッカーサーが、最初から最後まで、国務・国防両省の政策をサボタージュしてきたということは驚くべき事実である。日本占領は、一番大事な場面で、マッカーサー個人の意思で左右されたことがわかる。

中略

マッカーサーが憲法を恒久化する野心を抱いたばかりに、日本はひどい押しつけを甘受したことがわかる。これはいままで「押しつけ」といわれてきたよりももっと深刻なものだった。

(三)戦後史の正史によると、日本国民は、敗戦を経験して、戦争の悲惨さを体得し、再び銃をとらない平和国家に生まれ変わる決意をした。憲法の受諾は、その悲願の結晶である。その後は、経済の復興に重点をおき、「軍国主義」の再発を避けるために、平和国家を政策目標にしてきた、ということになっている。
しかし、これは体面をとり繕うための建前でしかなかった。
日本政府が新憲法を受け入れたのは、そうしないでは、天皇陛下と天皇制を救うことができなかったからである。
次に、占領軍最高司令官が、自分個人の名誉のために憲法擁護を強引に主張したため、吉田茂がこれに妥協している。そして新憲法を利用して、再軍備を拒否する政策が生まれてきたことがわかる。

(四)戦後の日本では、民主主義が隆々として育ってきた。戦後正史では、これは平和憲法によるところが多いということになっている。しかし、吉田茂は、新憲法そのものが善だと思っていなかった。彼は、天皇制を救い、再軍備を避けるという特定の目的のために憲法を利用したことがわかる。

(六)吉田は、自分で再軍備を開始しながら、再軍備は「軍国主義」だと国民に教えている。しかし、そもそも一九五○年代の日本が置かれた環境で、軍国主義をやるような余地はなかった。いまでも米軍が駐留する限り同じかもしれない。
吉田の教えが教条化された結果、現下の国会は、掃海艇の派遣が「軍国主義」かなどという下らない議論を世界の注視のなかで行ない、あげくの果ては、東南アジアの小国に伺いをたてるというところまで落ちぶれた。
鳩山が考えていた再軍備は経済発展と充分に両立するものであった。鳩山は、アメリカと軍事的に協力することで、対等の地位と、外交の自主性をとろうとした。しかし、吉田は、再軍備を拒否することで、外交の独立をも忌避することを国民に教えたのである。また経済的理由で国家の威厳と気品をないがしろにすることを教えたのである。
これが彼の最大の過ちであろう。

さらに、彼は社会党と協力して憲法を守るということの、内政にもたらす重大な影響にまったく無関心だった。これが第二の過ちである。

(七)日本は経済的理由で再軍備できないというのも吉田とマッカーサーのでっち上げである。では憲法の制約のおかげで、日本は軍事的負担をまぬがれたであろうか。ただ乗りがあったであろうか。これは否定できない事実であろう。しかしそれからくる財政的節約は、大した額ではなかったであろう。反対に、西ドイツや韓国のように、かなりの重軍備をしても、経済的に足枷になっていない国もあることを指摘できる。

(八)その沿革からみて、戦後日本がとってきた吉田路線は、不健全なものである。理解はできても不健全だったといわざるを得ない。もちろん、これにはアメリカ側に一半の責任がある。マッカーサーが、見栄と面子のために、逆コースをサボタージュしたのは間違いであった。吉田が講和条約を花道に引退しなかったことが、マッカーサーの過ちの上塗りをすることになる。

(一四)中略
ポール・ケネデイは『大国の興亡』のなかで、「日本は、もし軍事支出をかなり増加しなければ批判され、増加すれば非難されるであろう」といっている。
一九五一~五六年には、この両天秤政策は、鳩山と吉田の両方に対する、ダレスの支持となって現れた。最近では、両天秤政策は、日本からの戦費徴収という形をとるようになった。つまり、日本はこれ以上軍備増強をするより、警察官に戦費を払うことになる。この両天秤のおかげで、日本は翻弄されてきた。

(一五)現在の日本は、袋小路に入って震えている。それはアメリカの両天秤政策を日本人自身が補強してしまったからである。
一方では、日本は、憲法改正は侵略と軍国主義に連なると宣伝してきた。これで国内法である憲法は、外国との不戦条約になってしまった。米・中・韓の諸国はこの不戦条約を守れという。
他方、この憲法があるので日本は湾岸戦争で、人並みの国際協力ができない。それでアメリカに軽蔑され、孤立している。
これは恐るべきジレンマである。改憲をしても護憲をやっても、日本は他国に非難される。湾岸戦争における日本政府の無能ぶりは、このジレンマからくる。この袋工事から脱出するには、どうすればよいか。

(一六)米国政府が日本に対して両天秤政策をやるのは、日本の世論が護憲と改憲に割れており、アメリカの意向に従って日本側が連動することに一半の理由がある。アメリカが改憲指向になると、日本の改憲派(鳩山)が親米になり、護憲派の足を引っ張る。逆に、アメリカが護憲指向になると、日本の護憲派(吉田)が親米になり、改憲派の足を引っ張る。これがアメリカによる日本操縦を可能にしている。

日本がアメリカの意思統一を待って、それから自分の意思を統一しようなどと考えていたらこれは愚の骨頂である。日本の憲法は日本の問題であり、日本人がまず自分の意思を決定しなければならない。

(一七)これにはどう対処すればよいのか。憲法改正とは、単に憲法を書き換えることではない。問題は複数であり、それを一つ一つほぐしていくのがよい。それは政界再編成、海外派兵、憲法改正、核武装である。現在、日本が目指している政治大国は、核抜きである。PKOに二度失敗するような国家が、核を考える資格はない。
中略
現下の日本にできることは、初歩的な国内体制の立て直しである。これが入口であると同時に、いちばん肝心かなめでもある。大事なのは武器ではなくて政治である。
追放で三極に分裂された日本には、外交について基本的なコンセンサスがなかった。この分裂を除去するのは政界再編成と憲法改正である。
振り出しに戻って、鳩山と岸がやろうとしたことをもう一度やるのである。

(一八)日本の憲法は、冷戦が始まった時に改正しておくべきものであった。
中略
しかし、日本は必要以上に憲法を国際問題にしてしまった。三木武吉が指摘した通りである。この既成事実を崩すのは困難だが、不可能ではない。

まず純粋の国内問題から着手すべきである。政界再編成が第一歩である。これが鳩山の教訓であろう。しかし政界再編成と改憲の関係を隠蔽してはならない。改憲の議論をおおっぴらにやりながら、同時に政界再編成を推進しなければならない。
そのためには、国会の憲法調査会を復活させるのが一番よい措置かもしれない。憲法改正とは社会党を解党することであり、社会党の護憲政策を欠陥として指摘しながら推進するのである。
同時に有事立法、危機管理体制の完備、スパイ立法、首相の権限強化について前進しなければならない。首相の権限は、二大政党が発足すれば自然に強化されると考えてよいであろう。
二大政党政治ができると、日本の外交はそれだけで、かなり強力になる。それは国会に民意が直接に反映するからである。団結した世論が後ろ楯になると首相は強くなる。歴史の教訓がそれをものがたっている。
中略
日本政府が米国の前で腰くだけになるのは、自民党が本当の自由選挙で競争していないからである。また野党の社会党があまりに無能なので、米国大使館が「代替野党」になって機能しているからである。
だがもし日本に正真正銘の二大政党があり、自民党の失点を批判し、選挙で与党を追い落とす用意のある野党があれば、政府は対外的に強くなる。政府も、強い世論を背景にすれば腰が強くなる。ワシントンは電話一本では日本を操縦できなくなる。アメリカが間違っている時にノーというには、二大政党制度に反映された、民意を汲み上げるのが一番有効な方法なのである。


||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


著者片岡鉄哉は、アメリカ支配の頸木を離れるために、強力な二大政党制の存在が必要だとしている。現実に、二大政党制が肯定される時期が続き、民主党は政権をとったが、公約はほとんどが実現不能と判明、民主党は万年野党状態に戻った。

ここで、著者片岡が重大視する、アメリカによる二大政党政治状態での両天秤政策について読み込んでみたい。

―――――――――――――――――

「米国政府が日本に対して両天秤政策をやるのは、日本の世論が護憲と改憲に割れており、アメリカの意向に従って日本側が連動することに一半の理由がある。アメリカが改憲指向になると、日本の改憲派(鳩山)が親米になり、護憲派の足を引っ張る。逆に、アメリカが護憲指向になると、日本の護憲派(吉田)が親米になり、改憲派の足を引っ張る。これがアメリカによる日本操縦を可能にしている。

―――――――――――――――――

戦後、長らく(第二次安倍内閣出現まで)、二大政党を利用した両天秤政策は日本統治の手法として有効に機能してきた。
実は、この点が、著者が国益的に最も懸念した点であったが、安倍政権になってから衆参で改憲議席を確保、野党の協力を得て、改憲は可能な情勢となった。

しかし、安倍政権はなぜか改憲を急がない。片岡鉄哉は「憲法改正とは、単に憲法を書き換えることではない。問題は複数であり、それを一つ一つほぐしていくのがよい。」としている。この言葉を真に受ければ、安倍政権が憲法改正を急がない理由が理解できそうな気がする。
同時に、この点に着目すれば、安倍政権は、GHQが仕掛けた重大な頸木の一つを外すことに成功したとみなせるのである。


また、安倍首相は、当初日本に冷淡だった、オバマ政権と手を組み直し、数々の「和解の儀式」を執り行った。議会演説、安倍談話、G7、広島訪問、そして近日中に予定される真珠湾訪問、を以て安倍首相はアメリカに残るわだかまりを、「和解の儀式」の日本側の主導者として、除去することに成功するだろう。

そうしたシナリオで以て、第二時安倍政権のこれまでの実績を総括すると、
「日本永久占領」=「さらば吉田茂」にある国家的課題を安倍首相が解決・処理済の状態に移行しつつあることは明らかだ。

一方で、トランプ大統領が就任し、世論調査的には日米関係悪化が懸念されているそうだが、

オバマ時代までは、軍事占領下で完全従属を余儀なくされ、オバマが好むであろう人道主義的な?主張に沿って「和解の儀式の道」に辿りつき、廻り道ではあったがアメリカ政界のみならず世界の指導者からの信頼を勝ち得ることにつながったことは、歴史的に大きな意味を持つと考える。
年末の真珠湾訪問は、首脳レベルの和解としての総仕上げとなる。

一方で、次期大統領のトランプは、米露冷戦関係の見直し、軍事費全額負担しないなら在日米軍撤退と公約してくれているので、これを国内的には軍事占領状態を解消する好機ととらえ、日米露間の交渉が進展することになるだろう。


すなわち、安倍首相は
「片山鉄哉が苦悩した日本の行く末」に係わる重大な国家的課題のみならず
日米間の「和解の儀式」の履行によって、アメリカのわだかまりを解消
領土問題については、日米露間の緊密な外交関係の構築(プーチンとの長時間かつ頻繁な会談、トランプ当選直後の会談)を経て本格化させるつもりなのではないか
ということなのである。

我々は、戦後のどの政権も克服し得なかった数々の難題に、安倍政権が挑み、戦後レジームの解消ないし無力化を進めつつあることに、もっと早く気づくべきだった。

「和解の儀式」を通じた「戦後レジームの解消ないし無力化」が第二次安倍政権の日米外交上の主要テーマだったのではないか。

その一方で、後回し扱いの感がある、靖国問題、竹島問題等については
靖国不参拝はいまだ「和解の儀式」の途上、竹島問題は日米露の交渉完結後に着手、尖閣については日露交渉後に対応強化とみなせば、

深く考えると

我々は、非常に重要な歴史的瞬間に日々立ち合っているのではないか、
安倍首相はそれをストレートに表現することは少ないが
後世の歴史家たちは、過去数年に起きたことを再点検するに違いないと思わざるを得ない。

奇しくも、過去数カ月、読売紙面に各国要人、国内の要人、言論人発言に係わる全文掲載記事が続出している。
私は、捨てずに保管している。

この現象は何を意味するのか?

彼らジャーナリストたちも、各方面で戦後の歴史的瞬間に立ち会っていることを、報道の現場で実感、貴重な歴史史料として後世の人たちのために残そうとしているのではないかと、私は解するのである。

以上
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