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2016.10.09 (Sun)

押し紙率を推定するためのマクロ調査方法について

本稿では、広告主が「自社サイトに誘導する新聞広告」を出した場合の押し紙率推定(比較・検証)方法(マクロ調査手法)について述べさせていただく。

最近、月に1回ペースくらいで、新聞の購読部数を集約、広告単価積算の基礎情報を扱う、ABC協会の新聞広告を見る機会が増えた。

皆様は、ABC協会値が、真正だとお思いであろうか?

・ABC協会が把握している新聞販売部数の数値は真正なのか?
http://nihonnococoro.at.webry.info/201508/article_28.html

公益法人として、新聞業界の意向に沿う形で自己正当化を目的としているのであろう。

良心的解釈をすると、ABC協会が、ABC協会へのアクセス数の変化を測定、押し紙率を推定する目的で新聞広告を出しているのかもしれない。


ABC協会が行っている調査は適正なものなのだろうか?

ABC部数の嘘 架空地域・架空読者で偽造、チェック機能も期待できず
http://www.mynewsjapan.com/reports/529

今や動画の時代なのであるから、ABC協会は、公開の場で測定して見せれば済むことである。何も会員限定とするほどのデータではないはずだ。

万が一、それが真正でない場合、押し紙新聞社と連帯責任を負うべきなのは明らかだ。

既に、裁判の場でABC部数とのかい離について、問題視する動きは始まっている。

【押し紙裁判会見】新潮社・黒藪氏敗訴「プライドがあるなら言論で主張すべき」
http://blogos.com/article/23660/?p=1

まだ効果は出ていないが、押し紙問題を追及する全国集会がきっかけで、ABC部数とのかい離の有無を調べる動きは全国に拡散しつつある。

MEDIA KOKUSYO
http://www.kokusyo.jp/

ただ、黒藪氏は最も落としにくい最大紙、読売を相手にしている。


落としやすいところを攻めれば、判決文の一部は変わったかもしれない。

ここで、黒藪氏のコメントを熟読したい。

―――――――――――――――――

http://blogos.com/article/23660/?p=1

黒藪:今回の週刊新潮の記事は、滋賀県のチラシ配布の会社が、大掛かりなマーケット調査をした結果を受け、新聞の実配布数などを調べた数値から、押し紙率を計算して、書いた。

データでは読売18.4%の押し紙率だったが、1997年から取材をしてきて、数々の証言や裁判の記録などを鑑みて、18.4%というのはかなり少ない数字で、少なくとも30%〜40%は(押し紙率が)あると推測した。滋賀県というのは、新聞販売店の労働組合が強いところ、さらに中心メンバーが読売の販売店なのでなので、読売の押し紙率が18.4%と低かったのかとも思っている。

という内容を新潮に書いた。それが名誉毀損に当たるとして、今回訴えられました。

それと、押し紙によってどれだけ不正な利益を上げているかですが、4社の平均で、1年間で360億円と計算した。これも、争点になりました。

 判決ですが、読売側の訴えがほぼ認められ、読売さんの完全勝利となりました。裁判所は、チラシ配布会社の市場調査を「非常にずさんなもの」とし、さらに、押し紙を回収している写真なども、見た目からは部数を判断できないと認められなった。読売新聞は販売店とあちこちで係争中で、その裁判で上がってきた証拠も提出したが、押し紙の裏づけにはならないとされた。

―――――――――――――――――

部数の裏付けにならないという裁判官の言いぶりが実に興味深い。
実験レポートみたいな調査報告書でなかった?ことが影響したのかもしれない。

本裁判でのデータは実地でのミクロ調査によるものだった印象がある。


前置きはこれくらいにして本題に入りたい。

とりあえず、新聞広告、チラシについて比較対照可能なケースについて列挙する。

―――――――――――――――――

①ネットでアクセス数の変化がリアルタイムで確認できる広告出稿可能なサイトに広告出稿し、自社の特定のサイトに誘導するケース

②新聞広告に出稿し、自社の特定のサイトに誘導するケース

③新聞折り込みチラシを出し、自社の特定のサイトに誘導するケース

④ポステイングチラシを各戸配布し、自社の特定のサイトに誘導するケース

―――――――――――――――――

①は、広告代理店を何社か変えることで比較検証可能である。
広告出稿サイトのアクセス数のうち、関心ある層なら、何パーセントの人が広告主のサイトにアクセスするのか、曜日、時間帯別に一定の傾向がわかるはずである。
トヨタは、冒頭の電通事案に曜日、時間を固定し、適用したと推定する。電通の不祥事がバレたのは、トヨタの広報部門がアクセスの増減についてきちんと比較検証していたからなのであろう。

②、③、④は、黒藪氏が係わった裁判みたいな場面で、データ的に活用できるように思う。
広告主が、②、③、④について、同一地域において、新聞社を変え、同じ曜日で広告出稿した場合を想定したい。

アイデアとして検証手順を記す。

―――――――――――――――――

押し紙の程度について、広告主の立場で検証するための手順(アイデア)

・地域を固定し(仮に地域Aとしよう)、まず④を先行させ、特定の曜日・時間帯で実施する。私の家に来るのは、不動産関係、ピザ宅配のものが多い。

・そのうえで、地域Aにて、ある新聞社(仮にα新聞としよう)で③を特定の曜日・時間帯で行い、③で主張するABC部数と④の戸数の差を考慮し、アクセスウエートなどから押し紙相当部分が存在するのかどうか検証する。

・次に、③をα社と同じ曜日(の別の日)に、別の新聞社(β新聞、γ新聞)で実施し、③と④の比較などから、押し紙相当部分の存在の可能性を検証する。

・そのうえで、α新聞、β新聞、γ新聞での広告効果(広告算定の購読部数、実際のアクセス数)を比較する。

押し紙ウエートが高い新聞社は、ABC部数の割りには当然自社サイトへのアクセスは少なく、逆に、押し紙ウエートが低い新聞社の場合、自社サイトへのアクセスが堅調に伸びるはずだ。

・③、④のデータが蓄積された前提で、特定の曜日の朝刊でα新聞にて、ある都道府県で新聞広告を出稿する。

・続いて、α新聞と同じ曜日(の別の日)に、β新聞、γ新聞に同じ都道府県で新聞広告を出稿し、広告効果を比較する。

押し紙ウエートが高い新聞社は、ABC部数の割りには当然自社サイトへのアクセスは少なく、逆に、押し紙ウエートが低い新聞社の場合、自社サイトへのアクセスが堅調に伸びるはずだ。

・都道府県単位でのデータが蓄積された前提で、最終段階として、特定の曜日の朝刊でα新聞の全国枠で広告出稿する。

・続いて、α新聞社と同じ曜日の別の日に、β新聞、γ新聞に同じ都道府県で新聞広告を出稿し、広告効果を比較する。

―――――――――――――――――

これは、マクロ的分析であるが、どちらかと言うとミクロ的アプローチの積み上げでの押し紙率推定手法である。エリア別販売戦略を導入している広告主向けに適用できそうである。

エリア別マーケテイングを導入していると思われる、トヨタ自動車なら、ABC部数が信用できるものかどうか比較検証する手法となりえると予想する。


これとは別に、上記の一プロセスとなるが、全国紙一面広告を活用したマクロ的アプローチによる検証方法が存在する。
特定サイトに誘導する趣旨のものが多い、政府公報、自民党本部による一面広告に適用可能と考えるのである。
ただし、この場合、政府広報部門、自民党本部は、曜日を固定し日付を変えて出す必要がある。そのうえで、広告契約上の購読部数と実際のアクセス数の乖離を検証、アクセスが伸び悩んだケースについて、追跡調査するのである。


まとめに入りたい。

本稿では、広告主の視点で、広告詐欺的行為とみなせる押し紙の存在に係わる、マクロ分析手法(アイデア)について書いた。

最後に黒藪氏は、押し紙問題で苦しめられている(被害者としての)新聞販売店側の視点に立つことが多いが、
広告主の視点での追及であれば押し紙率が高そうな新聞社であればあるほど追及が容易と思われること(全国紙M紙、全国紙A紙)
広告主の立場であれば新聞社は折れざるを得ない可能性が膨らむこと
広告主の視点に立てば、広告主をサポートするという意味において押し紙研究者にとってビジネスチャンス到来の可能性が十分にあること
を指摘、本稿を終える。

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