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2018.10.09 (Tue)

自由市場なら損害賠償の免責条件はどの供給者も同一となるべきではないか?

コープ札幌が停電に関する損害賠償請求(おそらく民事訴訟)を検討しているそうである。

―― 参考情報 ――――――――――

コープさっぽろ、原発反対してるくせに地震で火力発電全部が停電の北電に9億6000万円の損害賠償請求 「ふざんけんな」の声
https://matomedane.jp/page/15591

―――――――――――――――――


そこで、いわゆる電力会社と新規参入の小売事業者の約款上の損害賠償条項を調べてみた。

東京電力と北海道電力の電気供給約款を調べたところ、損害賠償の免責条項はほぼ同一文であることがわかった。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://www.tepco.co.jp/e-rates/custom/shiryou/yakkan/pdf/260301kyouku000-j.pdf

東京

42 損害賠償の免責
(1) 40(供給の中止または使用の制限もしくは中止)(1)によって電気の供給を中止し,または電気の使用を制限し,もしくは中止した場合で,それが当社の責めとならない理由によるものであるときには,当社は,お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。
(2) 36 供給の停止 によって ( ) () 電気の供給を停止した場合または48 解約等によって需給契約を解約した場合もしくは需給契約が消滅した場合には,当社は,お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。
(3) 漏電その他の事故が生じた場合で,それが当社の責めとならない理由によるものであるときには,当社は,お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。


http://www.hepco.co.jp/home/price/stipulation/pdf/h2611_ele_supply_agree.pdf

北海道

42 損害賠償の免責
 40(供給の中止または使用の制限もしくは中止)によって電気の供給を中止し,または電気の使用を制限し,もしくは中止した場合で,それが当社の責めとならない理由によるものであるときには,当社は,お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。
 36(供給の停止)によって電気の供給を停止した場合または48(解約等)によって需給契約を解約した場合もしくは需給契約が消滅した場合には,当社は,お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。
- 47 -
漏電その他の事故が生じた場合で,それが当社の責めとならない理由によるものであるときには,当社は,お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

二つの電力会社の文面がほぼ同じなので、電力会社の供給約款上の損害賠償免責は、行政指導的位置づけで慣例?でこうなっているものと推定される。

では、今回、損害賠償請求を検討しているとされる、コープ札幌の関係会社である、トドック電力の損害賠償免責条項は、どうなっているか。トドック電力が損害賠償責任を負う内容と読み取れない。トドック電力が電力会社に損害賠償責任転嫁可能と読み取れる条文となっている。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://todock.co.jp/application/pdf/todok_clause.pdf

3. 損害賠償の免責
(1) 第 19 条(供給の停止)によって一般送配電事業者等により電気の供給が停止された場合、第 25 条(お客さまの申し出による解約)第 1 項によってお客さまが本契約を解約された場合、またはお客さまが第 26 条(契約の解除および期限の利益の喪失)
第 1 項の各号に該当したことによって当組合が本契約を解約した場合は、当組合は17お客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。
(2) 第 20 条(供給の中止または使用の制限もしくは中止)第 1 項によって、一般送配
電事業者等により電気の供給が中止され、または、お客さまの電気の使用を制限し、もしくは中止した場合で、それが当組合の責めとならない理由によるものであるときには、当組合はお客さまの受けた損害について賠償の責めを負いません。
(3) 当組合に故意または過失がある場合を除き、当組合はお客さまが漏電、その他の事故により受けた損害について賠償の責めを負いません。
||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

今回損害賠償訴訟を検討している「コープ札幌」は、電力会社と関係会社の小売電気事業者である「トドック電力」両方から電力供給を受けているものと推定される。
その前提で、コープ札幌は電力会社に対し、損害賠償を求める検討をしているものと推定される。

そこで、知りたいことなのであるが、「トドック電力」の損害賠償の免責は、行政指導的ひな形であるのか、自由市場なので自由に文案決定可能なのか、ということになる。



サンプル的に検索でヒットした、小売電気事業者であるガス会社(福陽ガス)の供給約款の損害賠償の免責条項を参照したい。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

福陽ガス

http://www.fukuyogas.co.jp/denki/img/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E4%BE%9B%E7%B5%A6%E7%B4%84%E6%AC%BE%E4%BD%8E%E5%9C%A7%E5%8B%95%E5%8A%9B.pdf

33. 損害賠償の免責
(1) あらかじめ定めた供給開始日に電気を供給できない場合、当社は、お客さまの受けた損害について賠償の責任を負いません。
(2) 本供給約款第31条(1)によって電気の供給を中止し、又は電気の使用を制限し、もしくは中止した場合で、それが当社の責に帰すことのできない理由によるものであるときには、当社は、お客さまの受けた損害について賠償の責任を負いません。
(3) 本供給約款第27条によって電気の供給を停止した場合、又は本供給約款第39条によって電気供給契約を解約した場合もしくは電気供給契約が終了した場合には、当社は、お客さまの受けた損害について賠償の責任を負いません。
(4) 漏電その他の事故が生じた場合で、それが当社の責に帰すことのできない理由によるものであるときには、当社は、お客さまの受けた損害について賠償の責任を負いません。
16
(5) 天候、天災、伝染病、戦争、暴動、労働争議等不可抗力によってお客さまもしくは当社が損害を受けた場合、当社もしくはお客さまはその損害について賠償の責任を負いません。
(6) 当社は、一般送配電事業者の責に帰すべき事由により被ったお客さまの損害について賠償の責任を負いません。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||



こちらも、賠償責任を負わない供給約款と読める。
従って、小売電気事業者の供給約款上の損害賠償の免責に係わる条文も行政指導的位置づけの文章の可能性があると思わざるを得ない。



だとすると、コープ札幌が進めようとする損害賠償事案は、小売電気事業者(トドック電力=実態はコープ札幌の関係会社)に出資する一般企業(コープ札幌)が損害賠償責任を電力会社に「一方的に押し付可能な不平等なもの」である可能性があり、自由市場であると謳っているにもかかわらず、賠償責任だけを電力会社に転嫁可能な自由化モデルを経済産業省が導入したせいで、電気料金がさらに高騰する状況を招くことになる。

つまり、自由化市場における、電力会社、小売電気事業者の損害賠償の免責条項に、重大な欠陥レベルの齟齬があり?、それが(約款条項に係わる)行政指導的措置によってもたらされた可能性を指摘するのである。



とりあえず、三点問題提起しておきたい。

・小売電気事業者(トドック電力)に出資ないし小売電気事業者から電気の供給を受けている企業(コープ札幌)について、電力会社の供給約款上の損害賠償請求資格を、電気供給約款上与えるべきではない
・トドック電力の供給約款に記載される、損害賠償請求の他社への転嫁可能と読み取れる文章については、自由市場なのであるから許認可上許可すべきではない。
・上記二点は、法改正ないし行政指導的手法にてなされるべき措置である



制度としての電力市場自由化モデルは経済産業省が設計したものであることは明らかである関係で、損害賠償に係わる免責条件も経済産業省によるものと考え、約款のひな形として電力会社、小売電気事業者両方に指定したのではないかと考えると、損害賠償の免責事案の齟齬が表面化した場合は、行政当局が介入することは当然と思われる。




規則でしばっておいて、責任を民間企業に転嫁するやり方は、問題なのだ。



私の解釈が正しいのか、そうでないのかは保障はいたしかねるが、相当分の電気を「電力会社と関係会社である小売電気事業者」両方から受電している一般の事業会社が、契約する二つの供給約款のうち電力会社との契約分に対してだけ損害賠償請求可能なのは、いくら何でも自由化市場設計を逸脱したものであると言わざるをえない。


以上

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テーマ : 環境・資源・エネルギー - ジャンル : 政治・経済

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