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2018.09.26 (Wed)

大停電再発防止  原発再稼働は急ぐべきだが…………

本稿は、大停電再発防止の教訓を原発再稼働の状況に適用した場合の、一種の提言である。

私は、原発ならびに再稼働推進派であるものの、行き過ぎた原子力行政に対しては懐疑的である。そもそも経営体力がない事業者においてはもちろんのこと、系統運用上の重大リスクや制約を生じさせるような、原子力発電所の過剰な新設はすべきでないとのスタンスである。
一部の電力会社においては、原子力規制委員会が示す再稼働条件をクリアするため、現時点において経営体力以上に、当該原発に追加費用支出しているとみている。また、原子力発電コストが安いとされる原子力政策課の広報資料は、(東電福島原発事故によって消滅した)原発安全神話と同様、「原発推進維持目的、推進ありきの神話」であろうとみている。




そういう前提で、停止中の原発がすべてすんなり再稼働できた場合において、大停電の教訓から、原発再稼働後の原発が、皮肉にも「バランス停止」せざるを得ない系統状況に直面することを、最初に指摘させていただく。

北海道で起きた、大停電発生直前の運転状況を参照したい。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180910-OYT1T50043.html?from=ytop_top

地震発生17分後、3基目停止でブラックアウト
2018年09月10日 15時00分

 北海道地震で道内ほぼ全域が停電となった「ブラックアウト」は、苫東厚真火力発電所(北海道厚真町)の1号機(出力35万キロ・ワット)が、地震発生から約17分後に停止したのが引き金だったことが分かった。地震直後に停止した2号機、4号機と合わせ想定を超える出力を消失。一部地域を強制的に停電させても需給バランスを維持できず、ブラックアウトを引き起こしたとみられる。

 震源に近かった苫東厚真の出力は計165万キロ・ワットで、道内約300万キロ・ワットの電力需要のおよそ半分を賄う基幹的な発電所だった。3号機はすでに廃止されていた。

 北海道電力などによると、地震発生直後の6日午前3時8分頃、2号機と4号機が地震の揺れで緊急停止。1号機は稼働を続けていた。電力は需要と供給のバランスが崩れると、周波数が乱れて発電機が損傷する恐れがある。このため、北海道電は、失われた供給分(約130万キロ・ワット)に見合うように一部の地域を強制的に停電させて需要を落としバランスの維持を試みた。

 しかし、地震発生から約17分後の午前3時25分頃に何らかの原因で1号機が緊急停止した。強制停電による需給バランスの維持が間に合わなかったとみられ、同時刻に知内、伊達、奈井江の三つの発電所が発電機の損傷を防ぐため自動的に停止。すべての発電所が停止するブラックアウトとなった。

 北海道電は、最大129万キロ・ワット分の発電所の停止までは想定していた。

2018年09月10日 15時00分

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




この記事を鵜呑みにすると、大停電の再発防止対策としては、供給力最大の発電所は、深夜帯の300万KWの電力需要に対し、大停電直前の発電量165万ではなく、記事にある「発電所の停止最大として想定した129万KW」を一つの発電所の出力最大値とせざるを得なくなる。

大停電の教訓として、この会社は、電力需要300万KWの場合、最大発電所の出力を129万とする可能性があるのだ。

つまり、苫東厚真の場合は、夜間帯電力需要が300万KWの場合は、40%近くまで発電機出力出力を下げることを意味する。火力発電所の場合、出力引き下げは問題ないはずである。

が、泊発電所が全台再稼働したらどうなるのか?3台で207万KW(2 x 57,9万KW、1 x 91.2万KW)である。苫東厚真で深夜帯で165万KW発電することが大停電対策上問題だとするなら、泊発電所においても深夜帯において何らかの対策が必要となる。




大停電の再発防止のためには、火力、原子力どちらであっても大規模電源への依存構造を改める必要があるからだ。




||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092501024&g=eco

北海道停電、原因検証が焦点=苫東厚真4号機復旧で供給めど

 北海道地震による損傷で停止していた北海道電力の最大火力、苫東厚真発電所4号機(厚真町、出力70万キロワット)が25日未明、約3週間ぶりに再稼働した。最優先課題だった道内の電力供給力の確保に一定のめどが立った格好だ。今後は地震に伴い発生した国内初の大規模停電(ブラックアウト)の原因究明や再発防止策の策定が焦点となる。
 ブラックアウトをめぐっては、全国の電力会社で構成する電力広域的運営推進機関(東京)が原因の事実認定を担う。21日に開いた同機関の第三者委員会の初会合では、北海道電が地震後に行った強制停電で、事前に設定した停電可能枠を全て使い切ったにもかかわらず、電力の需給バランスの乱れに対応できなかったことが判明。需給調整の「命綱」とされる枠の設定が妥当だったかどうかの検証が重要課題に浮上している。
 北海道電は電力の供給を、地震直前の需要の約半分を賄っていた苫東厚真に頼っていた。東京理科大学大学院の橘川武郎教授はブラックアウトの背景に、「大規模電源への依存構造がある」と指摘。再発防止策の検討に当たっては、電源を適正に配置することが必要だと訴えている。
 北海道電では、東日本大震災後の規制強化などを受けて、最大出力の泊原発(泊村、出力207万キロワット)が2012年5月に運転停止したまま。最重要視してきた原発再稼働の見通しが立たない中で、泊にこだわり続けたことが苫東厚真への依存を放置してきた面がある。
 また太陽光や風力といった再生可能エネルギー活用への取り組みが不十分だったとの指摘も聞かれる。原発なども含めた問題の解決には「国などの協力が不可欠」(第三者委関係者)。国内初の大規模停電を契機に、震災後のエネルギー政策そのものについての検証を進めていく必要がありそうだ。(2018/09/25-20:00)

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||




大規模電源への依存度を下げるための、現実的な対策としては三通りあるように思う。




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原発再稼働後の、深夜帯の原発の過度な集中を回避するための措置(私案)

・原発2台運転を基本とする運転計画とする
原発3台の運転は当初から運転計画せず、1台について計画バランス停止扱いとする。運転最大数を2台とし、電力需要の半分以下の運用とするため、深夜帯において一部の原発について部分負荷運用とする(部分負荷とすることは、原発低コスト神話が維持しにくくなる関係で、原発行政的には実現の可能性は薄い?)

・北本連携線を通じた電力広域融通ルールとして、原発に過度に集中した発電分(電力需要300万KWに対し129万KWを越える分)の売電を行政指導で実現するか、法規制で義務づける(実現の可能性はあるが抜本対策ではない?)

・原発専門運転会社の設立によりより広範囲な広域融通対応する
原子力発電所の運転保守に係わる、原発運転専門会社を電力各社出資しPWR、BWR種別毎に設立し、原子力発電所の広域融通を従来以上に常態化させる(抜本的対策?)

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ただし、ここで考えなくてはならないことが二つある。

一つは、東電福島原発で起きたような大事故が地方電力で発生した場合、地方電力は、東電並の作業員を確保・投入可能なのか、と言うことである。各電力会社の原発エリートたちはそんなことは心配ないと言うだろう。が、あれは、東電という大組織があって、メーカー工場が比較的近くにあって、郷土愛が日本の中でも特に強いと思われる福島出身者が相当数福島原発に勤務していたから、あの程度で済んだのであって、、、と解している。

つまり、地方電力の場合は、作業員の規模として、東電のように、1000人、2000人と非常時に、数カ月間、迅速に確保・投入できるのか、と言いたいのである。
原発事故対応要員の確保・投入は、東電、関電、中電と他電力とでは事情が異なる可能性を予見しているのである。




そして、もう一つの懸念、それは、大停電発生時点での苫東厚真火力での過度な発電所出力集中にある。冷静になって考えれば気がつくことであるが、深夜帯における最大規模の発電所の発電所出力は、大停電発生時点において、電力需要300万KWに対し苫東厚真165万KW(系統の55%)であったのに対し、泊原発停止前は、ひょっとすると泊発電所だけで207万KW、ひょっとすると系統規模の60%を越える運用が常態化していた可能性はないのか。

大停電を起こした最大の要因として、特定の地点の火力発電所の出力が過半以上であったと、反日各紙は得意気に書いたはずだ。しかし、そのような運用は、東電福島原発発生前の時点にて、原子力発電所において常態化していたのではないか。(泊の場合は、電力需要が300万KWであっても207万KW発電していた???)
電力会社の、立身出世したい原子力エリートたちが、あるいは原子力担当役員、あるいは原子力部門出身の社長が、原子力を推進、原子力を低コストであると主張する目的のために、系統運用部門に対し、無理を承知で原子力発電所に過度に発電集中させる運用を強い、深夜帯に系統運用を危うくする運用が、大停電のはるか以前、原子力発電所運転開始時から常態化していた可能性はないのか?(推論)




つまり、大停電直前に苫東厚真に発電集中していた状況は、そもそも事業者の原子力エリートによって、恒常的にもたらされた可能性はないのか、ということなのである。

大停電するのは、そもそも系統規模以上の過大な設備容量の大規模発電設備の建設と運用を無理強いする、経営判断にあると言いたいのである。各地の電力会社において、原子力エリートが出世やすい状況は、大停電を引き起こす遠因となっているということなのである。

それゆえ、系統規模の小さな電力会社において、原発周辺での大地震による、建設計画上の大停電対策として、原発を系統規模に対し、過大に新設すべきではない。(経済産業省は系統規模の小さな電力会社の原発新設をこれ以上認めるべきではないという意味)

また、大停電対策として、①系統運用上は、原子力発電所が系統の過半の発電を出力する場合などの深夜帯においては売電取引が不成立なままで放置させるなら「計画バランス停止」させるか、②広域融通ルールを強化・義務化させるか(深夜帯の過度な原発発電分を売電義務対象とするということ)、③原発専門の運転保守会社を設立させ原発の電気を広域融通を政策的に常態化させることが、エネルギー国策的に最善の措置と考えるに至るのである。




本稿のまとめを以下に再掲し、本稿を終える。

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■原発再稼働後の、深夜帯の原発の過度な集中を回避するための措置(私案)



・原発2台運転を基本とする運転計画を基本とする
原発3台の運転は当初から運転計画せず、1台について「計画バランス停止」扱いとする。運転最大数を2台とし、電力需要の半分以下の運用とするため、深夜帯において一部の原発について部分負荷運用とする

・北本連携線を通じた電力広域融通ルールとして、原発に過度に集中した発電分(電力需要300万KWに対し129万KWを越える分)の売電を行政指導で実現するか、法規制で義務づける

・原発専門運転会社の設立によりより広範囲な広域融通対応を実現する
原子力発電所の運転保守に係わる、原発運転専門会社を電力各社出資しPWR、BWR種別毎に設立し、原子力発電所の広域融通を従来以上に常態化させる





■大停電再発防止対策(原子力発電所関連)



・建設計画上の大停電対策として、原発を系統規模に対し、過大に新設すべきではない。(経済産業省は系統規模の小さな電力会社の原発新設をこれ以上認めるべきではないという意味)

・系統運用上の大停電対策として、①原子力発電所が系統の過半の発電を出力する場合などの深夜帯においては売電取引が不成立なままで放置させるなら「計画バランス停止」させるか、②広域融通ルールを強化・義務化させるか(深夜帯の過度な原発発電分を売電義務対象とするということ)、③原発専門の運転保守会社を設立させ原発の電気を広域融通を政策的に常態化させる




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以上

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