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2018.09.25 (Tue)

「整合性なき、縦割りエネルギー行政」はやめるべきだ

本稿は、経営体力のない電気事業者に原発再稼働の条件として2000億円も追加費用負担させておいて、電気料金値上げ認可した時点で、原発再稼働が許可されない、社会経済上の不合理さ、日本の行政官庁全体としての不誠実さを説明することを目的としている。


私は、原発ならびに再稼働推進派であるものの、行き過ぎた原子力行政に対しては懐疑的である。そもそも経営体力がない事業者においてはもちろんのこと、系統運用上の重大リスクや制約を生じさせるような、原子力発電所の過剰な新設はすべきでないとのスタンスである。
一部の電力会社においては、原子力規制委員会が示す再稼働条件をクリアするため、現時点において経営体力以上に、当該原発に追加費用支出しているとみている。また、原子力発電コストが安いとされる原子力政策課の広報資料は、(東電福島原発事故によって消滅した)原発安全神話と同様、「原発推進維持目的、推進ありきの神話」であろうとみている。




そういう前提で、電気を取り巻く、エネルギー行政の実態について、本稿にて述べさせていただく。

ある読売記事をみて、原子力規制庁原子力規制委員会は、許認可権限を楯に、事業者と消費者に過大な負担を押し付けていると確信するに至った。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

9月22日読売記事


20180922読売1


20180922読売2 


20180922読売3


||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

事業者は、原子力行政に対し過大な追加費用支出に応じるしか選択肢がなく、原発再稼働のために、少なくとも、2000億円もの設備改造費用を、原子力規制委員会からの指示・指摘に対応するために、支出したと解釈しうる。

そして、この2000億円を支出してもなお、趣味で仕事をしている原子力規制委員会は、各地の原発の再稼働を積極的に認めようとはしない。

―― 参考情報 ――――――――――

「趣味」で仕事をしているように見える「原子力規制委員会」に言いたいこと
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-1114.html

―――――――――――――――――

当該電力会社の年間営業収入が、仮に6000億とした場合、経営判断として2000億円もの金額を支出することは、経営常識的にはゲームオーバー、すなわち事業撤退を意味する。

一般企業の競争市場において、6000億の営業収入がある企業が、さらに追加で2000億もの費用支出を受け入れるのかという意味においてである。一般企業の経営体力を越える、費用支出を原子力規制委員会は「再稼働前提とする建前」にて事業者に要求したことを意味する。

この前提において、原子力政策課は、原子力の発電コストは、火力よりも安いとそれでも確信を持って主張できるのであろうか?

―― 参考情報 ――――――――――

原発・火力コストの比較手法の改善について
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-1121.html

―――――――――――――――――

この原子力政策課の試算に、再稼働前提とする設備改造コスト(上記の場合は2000億)は含まれているのであろうか?2000億は、100万KWクラスの原発1基分の建設コストに相当すると言われている。
再稼働対応コストを新設の建設コストに合算すると、原発建設コストは、少なくとも30%増えるのではないか?


つまり、一部の電力会社において、経営体力を越える追加費用支出であると推定される点において、「一部の電力会社において、経営体力以上に原子力発電所をつくり過ぎた」ことを認識する必要がでてきた。再稼働しても直ちに運転しない原子力発電所のために、この2000億を捻り出すために、他の設備(火力、送配電設備等)が万年ポンコツ状態にあることも懸念されるところである。

このような状況におかれても、この会社が置かれた立場は、おそらく、一度建設・運転された原発から撤退することはエネルギー行政的に許されるものではないと経済産業省、環境省内にて扱われ(一般の民間企業なら、追加での2000億円もの費用支出は事業撤退判断となるべき水準であるにも関わらず、救済措置等なく事業者に対応が押し付けられる状況を放置?)、再稼働されないまま数年経過している原子力発電設備について躊躇なく2000億もの資金が投入され、追加費用は電気料金に確実に転嫁された。

ここで、福島大震災後の電気料金値上げに係わる、認可行政的視点で眺めてみたい。
再稼働前提で2000億もの原発への追加費用支出を強いておいて、電気料金の大幅引き上げを認めたのであるから、料金認可対応部署から原子力規制委員会に対し、再稼働推進の役所内での根回しは本来行われるべき性格のものではないのか?


莫大な追加費用支出を許認可対応上要求し、そのために料金値上げを認めて、許認可上、再稼働を認めないロジックはどこから来るのか?
原子力規制委員会が、消費者が過大な料金引き上げを受け入れてもなお、趣味の次元での悪魔の証明を事業者に求める行為が、許認可官庁として容認されるべきものであろうかという問題提起もある。

経営体力を越える2000億もの支出をさせ、電気料金の大幅引き上げを認めておいて、再稼働について政策的かつ省庁横断的対応として何もしないのは、社会経済的に不合理であるのみならず、「日本国の行政官庁の全体対応責任として、不誠実」と言わざるを得ない。


つまり、原子力推進行政(原子力政策課)、原発再稼働対応(原子力規制委員会)、電気料金認可行政(電力・ガス事業部政策課)それぞれが、省内で縦割りで、それぞれ課単位で好き勝手にやり、そのしわ寄せの結果、消費者を直撃していると言いたいのである。

そして、悪評高い、(一般家庭の消費者に、年間1~数万円レベルの過大な負担を強いる)再エネ賦課金は、電力・ガス事業部とは別の、省エネルギー・新エネルギー部の所管である。

つまり、現在の電気エネルギー分野において、以下のような「異常な縦割り状況」が発生、放置されていると考えるのである。

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電気エネルギー分野における、縦割り許認可行政放置に伴う、問題発生状況(一部推論)

■電力・ガス事業部原子力政策課によって、さして安くもない?原発建設が長期間推進された結果、一部の電力会社において原子力部門への経営体力以上の予算確保・配分が常態化
■原子力規制庁原子力規制委員会(環境省外局)は、再稼働を口実に、「事業者の経営体力以上の費用支出と許認可行政上根拠曖昧な悪魔の証明」を事業者に要求
■趣味で事業者に技術的対応を要求する、原子力規制庁原子力規制委員会に対し、どの官庁も歯止めをかけようとしない(趣味の次元での調査要求は、許認可書類上の対象外)
■電力・ガス事業部電力・ガス事業部政策課は、事業者の経営体力以上の原発追加費用支出があっても救済措置等検討せず、電気料金にそっくり加算、消費者に転嫁することを傍観?
■再稼働条件としての設備改善要求、そのための料金引き上げを許認可した、行政官庁全体の不誠実な対応
・電力・ガス事業部電力・ガス事業部政策課は、許認可上の最大の対応窓口であると思われるにもかかわらず、形式上の要件を備えているとして料金料金認可手続きはするものの、環境省原子力規制庁との調整を放棄
・経営体力のない事業者に2000億円も追加費用負担させておいて、料金認可した時点で、再稼働が許可されない社会経済的な不合理
■省エネルギー・新エネルギー部は、民主党政権以来の置き土産を座視、北海道・東北・北陸の消費者に過大な再エネ賦課金負担を長年放置(北陸はオール電化普及率が高い、太陽光の普及は南の方が多いとみれば、再エネ賦課金は北国に負担を強いる極めて不公平な制度)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

事業者は、これら縦割り行政に対応し、対応窓口(部、課)毎に整合性ない政策であっても、許認可対応上は絶対服従を強いられ、
消費者は、原発再稼働に必要とされる追加費用支出等に伴う、電気料金値上げと再エネ賦課金のせいで、とんでもない費用負担を強いられたと解している。

さらに、省エネルギー・新エネルギー部が所管する住宅用太陽光発電は、買取単価引き下げのため、曲がり角にきている。

―― 参考情報 ――――――――――

住宅用太陽光発電の誤算、「10年で投資回収」は大ウソだった
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180925-00180404-diamond-bus_all

―――――――――――――――――

消費者に過大な賦課金負担を押し付け、その一方で住宅用太陽光発電が赤字、やっていることは消費者サイド、戸建て住宅所有者どちらから見ても破綻。省エネルギー・新エネルギー部は、行政組織的に、電力・ガス事業部ほど、必要な組織なのであろうか。今後も存続させるべき組織であろうかという意味である。

はっきり書こう。省エネルギー・新エネルギー部が縦割り行政で突出し、再エネ賦課金を消費者に転嫁し、派手に省エネ・新エネ政策を推進すればするほど、経済産業省部署間のエネルギー政策に齟齬が生じる。ちょっと考えればわかることだ。新エネの派手な推進のせいで、エネルギー行政が経済産業省全体で整合性がまったくなくなり、省エネルギー・新エネルギー部が「経済産業省全体でのエネルギー政策破綻の原因発生組織」となるのである。
省エネルギー・新エネルギー部は、「部」から「課」に機能縮小させるべきであろう。

また、原子力規制庁が環境省の外局であることは、原子力再稼働に向けた、原子力規制委員会が趣味で仕事を続ける状況を保障するばかりか、再稼働のための追加費用支出が事業者の経営体力を越える可能性があっても、環境省所管である限り、電気料金認可行政上は料金引き上げについて無関心となることが懸念される。

これだけの弊害が発生していると推定すると、原子力規制庁が環境省の外局でなくてはならない意味はない。元の、経済産業省の外局に戻すべきだろう。
経緯的にできないと言うなら、環境省を一旦丸ごと、経済産業省の外局にし、自然保護分野のみ自然保護庁と分離独立(農水省の外局?)するというアイデアもあるだろう。

その方がエネルギー行政における縦割りの弊害防止にはなる。

以上、経済産業省、環境省に蔓延する、「整合性なき縦割り(電気)エネルギー行政」の問題点について、消費者の視点にて述べさせていただいた。


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テーマ : 環境・資源・エネルギー - ジャンル : 政治・経済

14:54  |  政府機関  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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