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2018.05.02 (Wed)

対北朝鮮制裁  満州事変時代から学ぶべきこと

前稿にて、

安倍政権は対北朝鮮制裁を主導
トランプ大統領は米朝開戦の口実を探している
との見解を述べた。

―― 参考情報 ――――――――――

北朝鮮制裁強化を安倍首相が主導  トランプ大統領は米朝開戦の口実を探している?
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-970.html

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さて、安倍首相は、北朝鮮制裁を強化、主導するにあたり、過去の拉致交渉の失敗に次ぐ失敗だけでなく、戦前の日本外交の失敗からも学んだのではないかと、私はみている。



戦前の日本外交の失敗が、満州事変、その後の支那との紛争処理にあったことを疑う人はいまい。


簡単に書くと、北朝鮮と何度やっても北朝鮮が誠意ある交渉をしようとする気配がない中で、糞真面目に交渉再開を北朝鮮に働きかけることは、満州事変以降の支那との停戦協定をするも何度も反故にされた経緯と共通点があるように思うのだ。日本が核兵器を持っていない国家であるがゆえになめられているという指摘もあるだろうが、核兵器とて一発発射してしまえば双方問答無用となる。そもそも、北朝鮮は、戦前の支那と同様、条約、協定を遵守する国ではないという前提で扱うべきと、安倍首相は考えたのではなかろうか?


ここで、「満州事変時代の日本外交」の「三つの失敗の理由」を以下に列挙する。


第一の理由として、徳富蘇峰の指摘となるが、戦前の日本が、支那観を見誤ったことである。


||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

http://nihonshitanbou.blog.fc2.com/blog-entry-528.html

・日本政府が支那人の国家観を見誤った
・日本政府が支那という国について地理的な見当を間違えた
・日本軍が支那で連戦連勝することを英米ソ連は好ましく思わなかったことに気づかなかった
・支那の背後にいる英米との対応について当時の日本政府が無関心だった
・英米は、支那人を操って日本を滅ぼそうと考えた?
・東條首相は緒戦の成功に気を良くしてどういう形での終戦が望ましいか考えることをしなかった

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

第二の理由は、これも徳富蘇峰が指摘していることであるが、(蒋介石がかつて日本に留学していることから話せばわかると勘違いし)蒋介石の大局観を見抜けず蒋介石政権との二国間協定にこだわり、相次ぐ停戦違反の結果、泥沼状態に陥ったことである。
蒋介石のスポンサーである英米との講和を考慮しなかったことは、問題視されるべきだと徳富蘇峰は述べている。


―― 参考情報 ――――――――――

戦前の対支那外交の過ち
http://nihonshitanbou.blog.fc2.com/blog-entry-526.html

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第三の理由は、倉山満が「真・戦争論 世界大戦と危険な半島」にて指摘していることだが、第一次大戦の戦後処理の理屈が、満州事変にも適用されリットン調査団が、概ね妥当な見解を出していたにもかかわらず、当時の日本の外交関係者が、「ブルガリア方式」に込められたその微妙なシグナルを読み取る能力がなく、馬鹿みたいに強行な態度に出たことである。


||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

125頁
英・仏・独・墺・露・伊・土の七カ国が集まったベルリン会議の結果、ベルリン条約がまとまり、ブルガリアについては次のようになりました。

・大ブルガリア帝国構想は認めない。東リメリアとマケドニアはトルコ領とし、ブルガリアの領土はブルガリア本土のみ認める。
・ブルガリア本土に広範な自治を認める。ただし、主権そのものはオスマン帝国に残す。

126頁
こでブルガリアは、サン=ステファノ条約で認められたのより大幅に領土を削られたものの、事実上独立することになりました。事実上の独立とはオスマンの支配から離れるということですから、戦争の果実はロシアのものです。オスマン・トルコの面子だけは立てなければなりませんが、露土戦争で獲得したロシアの権益はすべて認められました。

127~128頁
昭和の日本がこの時のロシアの立場だったらブチ切れて戦争を始めても不思議でないところですが、ロシアは短気を起こしませんでした。オーストリア一国ならともかく、イギリスとオーストリアが組んでしまったらロシアは勝てません。オーストリア自身の軍事力は弱くても、英独が友達としてついているので勝ち目がありません。

ロシアは賢いので、勝ち目がない以上、どんなに面子を潰されても耐えました。ロシアは軍事力で持っている国だとよく誤解されていますが、実は外交力で持っている国です。力の論理の信奉者なので、強い国とは戦わず、弱い国は相手にしないリアリストです。
ところで、この時の「形式的主権は認めないが、実質的に自治権を認める」ブルガリア方式は、日本と重要な関係があります。ブルガリア方式を理解できなかったから大日本帝国が滅んだとも言えるのです。「主権はオスマン・トルコに残しつつもブルガリアがロシアの勢力圏に入ったのと同じように、満州国も、日本が満州事変で得た権益は全部認めるから、主権だけ中華民国に認めてくれ」というのが、満州事変後のリットン調査団の提言でした。リットン調査団とは、昭和六(一九三一)年、満州事変の発端となった南満州鉄道が爆破された柳条湖事件の調査を行った一団であり、リットン卿はその団長で、インド臨時総督も務めた英国の政治家です。とにかく名目だけは中華民国の主権を認めないと国際連盟の立場がないし、国際連盟の小国たちが「日本がやったようなことをドイツやソ連がヨーロッパでやったら困る」と言っている。だからここだけは妥協しないと日本のためにもならないから形だけは譲ってくれ、ということだったのです。
リットンは当然ブルガリア方式を知っていて日本に持ちかけているわけですし、日本側だって、ヨーロッパに行った外交官は一人を除いて全員優秀ですからわかっています。だからリットンは「これなら日本ものめるだろう」と思っていました。

129頁
ところが、その例外の一人が、元オーストリア公使で当時の外相の内田康哉でした。まったく勉強せず、ブルガリア方式を提案されても理解できず、朝日新聞などがリットン報告書に対して、非難轟々で煽るとその言うなりになり、国際連盟を脱退してしまいました。この件で松岡洋祐がよく悪者扱いされていますが、松岡は実際には、国際連盟脱退に最後まで反対でした。松岡が「十字架上の日本」演説でイギリスと話をつけたのもつかの間、内田は「どんどん強硬論を言え」という訓令をおくりつけてぶち壊しています。

196頁

この内田康哉は、のちに昭和になって国際連盟脱退直前に外務大臣として「全世界を敵にまわしても、国土を焦土としても満州国承認をやる」と演説し、満州国を承認したがために全世界を敵にまわし、本当に日本国土を焦土にしてしまった人です。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


これら三つの理由と北朝鮮制裁、どう関係しているのか。
満州事変については、その外交的処理を当時の日本政府が読み間違えたために、国土の焦土化、敗戦という事態を招いたことである。
また、これまでの対北朝鮮の拉致交渉、ともすれば戦前と同様糞真面目で、北朝鮮の食い逃げを許してきた。

そこで、上記「日本が外交処理として失敗、敗戦に至った三つの理由」を拉致交渉、北朝鮮制裁強化、北朝鮮非核化のシナリオに当てはめて解釈し直したい。



●支那観の見誤り
⇒北朝鮮は拉致交渉をさんざんはぐらかし、食い逃げし誠意ある対応をしてこなかった。
「北朝鮮制裁を段階的に強化、圧力によって対話を実現し、実質見返りなしで拉致被害者奪還を目指すという政府方針」、「安倍首相が制裁強化を主導、トランプ大統領が米朝開戦の口実を探しているという役割分担」は、二度と拉致交渉を失敗させないために編み出されたものであろう。


●蒋介石という人物の見誤り、二国間停戦協定の破綻
⇒国際社会協調した対応を安倍政権は主導した。拉致交渉について誠意ある対応を示さざるを得ない状況をつくるべく、国際社会の協力を得て制裁発動・強化、オーストラリア、カナダ、イギリスの軍艦派遣に成功。トランプ大統領からは米朝首脳会談前に、即座に拉致被害者を帰還させるべきとの発言を引き出した。


●ブルガリア方式の無理解
⇒トランプ大統領は、体制保障を見返りに、北朝鮮の非核化、ミサイル技術の放棄を狙っているのは確定的。また、トランプ大統領は、交渉枠外の扱いで?、拉致被害者の即時帰還を北朝鮮に求めた。これは、拉致交渉が見返りなし、条件なしであることを意味する。無視した場合、開戦の口実となるだろう。
安倍首相は、トランプ大統領との協議において、トランプ大統領が何をどう考え、どういうケースならどう対応する予定なのか、「トランプ大統領が発する微妙なシグナルをほぼ理解している」と予想する。最終的には在韓米軍の撤退を考慮しているかもしれない。何分、込み入った手順の中での取引を得意とするトランプ大統領なので、双方の交渉が成立する見込みがどの辺にあるのかははっきりしないものの、安倍首相は、北朝鮮制裁を主導した関係で、トランプと共に、新たな朝鮮半島非核化、弾道ミサイル放棄に係わる国際的な枠組みの構築を主導することも、十分予想される。約束違反が一つでもあれば米朝開戦するとのスタンスは北朝鮮にとっては相当の圧力となるだろう。


すなわち、安倍政権は、これまでの拉致交渉が進展しない原因分析の他に、戦前の日本がやってしまった三つの外交的失敗から学び、そうならないシナリオ、手順、陣容(国連大、G7、関係各国との協調)にて北朝鮮制裁を主導していると解することができる。


そして、こういう壮大な目論見の中で、外交的有効打を放てる政治家は、滅多にいない。安倍首相は外交的手腕にかけては、100年に一度出現するか否かの政治家である。歴史的にはイギリスのチャーチル、ドイツのビスマルク並の政治家のような気がする。


では、国内の政治家の評価はどうなるか。

河野太郎外務大臣は頑張ってはいるが、大局観では、まだ安倍首相には及ばない気がする。
岸田前外務大臣は、リベラル、大臣時代存在感なかった点において、次期首相にふさわしいとは思わない。雰囲気的に、財務省の言いなり、中韓に阿る政治家のような印象がある。日本が良くなる気がしない。
石破茂は、ハニートラップ疑惑があり、主張をコロコロ変える癖があり、信用できない。後ろから鉄砲を撃つような癖は致命的だ。時々思い出したように正論を語るが、コロっと前言を翻す癖を直すべきだろう。
野田総務大臣には、目立つことをやりたいというメッセージしか伝わってこない。その点において首相夫人と同類。
小泉進次郎は、日本を乗っ取りたいアメリカ勢力の代理人みたいな印象がある。

よって、次期自民党総裁選挙、安倍晋三が三選するのが望ましいと考える。
安倍首相の意図を最大限汲み取り、その延長線上で、きちんと処理・対応しようとする政治家は少なからずいる。


「押し付けられたTPP」を無難にまとめ上げた、甘利明議員である。


最新の国会リポート、選挙区以外の人が情報を受け取る機会は少ないが、日米首脳会談が首尾よくかつ最高の形で終わったと評している。

―― 参考情報 ――――――――――

甘利明 国会リポート 2018年4月23日
http://amari-akira.com/01_parliament/index.html

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私は、甘利明議員の大臣復活を望んでいる。


以上
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