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2017.06.13 (Tue)

生前譲位特例法国会答弁問題  言論界が避けてきた「無謬」の問題?

本稿は、
倉山満「こういう保守言論界の風潮に息苦しさを感じる」というブログコメントの真意、
中川八洋の特例法に関して政権を酷評する真意
を探ることを目的に出稿した。




倉山満は、ブログにて、こう書いている。

||||| ここから引用開始 |||||||||||||||||||||||||||||||||||

最近の安倍首相と菅官房長官を評す
https://office-kurayama.co.jp/20170609190142

共産党の小池晃書記局長は「特例法案は、国民が天皇陛下のお気持ちを理解し共感していることを立法理由にしているが、事実上、天皇の意思を退位の要件としているのではないか」と指摘しました。
これに対し、菅官房長官は「国民が、天皇陛下のお気持ちを理解し、共感しているという現状は、お気持ちに対する国民の受け止めであり、天皇陛下のお言葉と直接関係するものではなく、憲法上の問題はない」と述べました。

統帥権干犯事件であいまいな答弁を繰り返した濱口首相を思い出した。
将来に禍根を残さねばと思う。

私だったら、バジョット片手に答弁しましたけどね。

繰り返すが、私は安倍首相も菅官房長官も応援しているが、「100点である」「あらゆる言動に一点の瑕疵も無い」と言わねばならないのか?

こういう保守言論界の風潮に息苦しさを感じる。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||


バジョットとは、君主制擁護の視点で「イギリス憲政論」を書いた、政治思想家である。

―― 参考情報 ――――――――――

ウォルター・バジョット
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88

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つまり、倉山満は、
官房長官答弁に際して、「憲法上の問題はない」、だけではなく、「憲法上の問題がないことに加えて、今回の特例法が法制化されても我が国の歴史と伝統に則って天皇制を堅持することについて今後も一切の変更(解釈)は生じない」との見解を追加すべきだった、と言いたかったのではないか?



続いて、中川八洋が述べた見解の分析に移行する。

中川八洋は、倉山満以上に詳細に分析し、安倍政権をかく酷評した。

―― 参考情報 ――――――――――

「国会は天皇を強制退位させうる」との“天皇制廃止準備法”に様変わりした「今上陛下のご譲位」特例法──共産党員・菅義偉の言いなり、“民族系(=痴呆老人&ゴロツキ集団)のドン”安倍晋三の大罪
http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2017/06/12/142805

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戦後、GHQが要請してもいないのに、皇室典範を強行改正、憲法学における「皇位継承学」を絶滅させたのは共産主義的な憲法学者たちだったと、その著書「悠仁天皇と皇室典範」にて中川八洋は指摘している。

―― 参考情報 ――――――――――

【皇室問題】  憲法学者が悪さをしたのは「9条改憲阻止」だけではない!
http://sokokuwanihon.blog.fc2.com/blog-entry-506.html

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中川八洋は、さらに、特例法について、共産党が起立して賛成したことを根拠に、特例法は、共産主義者が編み出したとする。

なるほど、と私は思った。

よって、中川八洋の特例法の解説は、真実味を帯びてくる。

中川八洋に言わせれば、特例法の検討に係わった、有識者会議メンバーは、例によって、共産主義者だらけであると言いたいのであろう。


ここで、中川八洋が、「悠仁天皇と皇室典範」、「女性天皇は皇室廃絶 男系男子天皇を奉載せよ」にて、皇位継承学の専門家がほとんどいないことについて、述べたことを参照したい。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

「悠仁天皇と皇室典範」

あとがき『皇位継承学概論』を書き終えて

日本の憲法学界は、天皇制廃止を絶対信条とする共産党学者が過半を占め、これらの学者たちが、憲法学説と出版とを独裁的に「検閲」する、そのような情況下にあります。このため、皇位継承に関する適当な教科書が一冊としてありません。

皇位を未来に安定的に護持していく”皇位継承の学”の存在は、皇位が連続せず切断されてその廃絶をきたすようにする天皇制廃止のドグマにとって、逆行する障害物となるから、断じて許さない、というわけです。実際にも、正しい”皇位継承の学”の研究は、学界では徹底した妨害の嵐を招き、発表の機会すらありません。こんな情況では、当然、若手研究者、このテーマを選択することがありません。
このため、皇位継承学の専門家が、戦後六十年間、ついに一人も育つことがありませんでした。


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「女性天皇は皇室廃絶 男系男子天皇を奉載せよ」

96~98頁

翻って今日、「有識者会議」のメンバーには、皇室の危機に際して、生命と財産を擲っても、自分の子孫ともども、皇統を護持せんと決意しているものなど一人もいない。王位継承に関する、上記の”英国臣民の誓約”を日本に敷衍すれば、「皇統の護持を害する天皇制廃止勢力に対して、生命と財産を打ち捨てても、日本から一人残らず排除するまで断固戦う精神をもつものだけが皇位継承を論じる資格がある」ことになろう。
しかし、吉川弘之ら「有識者会議」は、ほぼ天皇制廃止論者ばかりを集めて皇位継承を論じているように、反天皇制イデオロギーに立脚している革命集団であった。園部逸夫はむろん、吉川弘之本人も天皇制廃止論者である。イギリスの”憲法”ー(一六八九年と一七〇一年の)王位継承法ーに準拠すれば、健全な日本国民は、まずもって吉川弘之らを糾弾し辞任に追い込むだけでなく、殺害しなければならない、ということである。

今日では殺害は極端にすぎるが、それでも、正常に皇位継承問題を論じるには、和気清麻呂のような、皇室への至誠に命を惜しまない真正の日本国民だけが関与できるよう、その資格を厳格に検査する精度をつくる必要がある。吉川や園部などの天皇制廃止論者を完全に排除する法的整備の方が急務である。

この意味で、かつて小堀桂一郎が、吉川弘之らを「専門家ではない、素人の集団」と批判したが、いかに的外れであることか。専門家とか素人とかなど、どうでもよい問題である。もし「専門家か、素人か」が重要な指標ならば、皇統史にも法制史にも憲法学にも無縁な小堀桂一郎こそ、吉川弘之と同種の”ズブの素人”である。違いは、吉川は”危険で凶暴なズブの素人”、小堀桂一郎は”お粗末なズブの素人”である。

現に小堀桂一郎は、「天皇制廃止論者で、強度の虚言症」高森明勅の正体を見抜けず昵懇の仲である。小堀がもし本当の専門家ならば、とっくの昔に高森明勅を厳しく糾弾し絶交している。通常、「専門家」とはその専門分野の著作を一定以上出版しているものをいう。小堀は、皇位継承問題の本もゼロ、論文もゼロである。小堀桂一郎には、人間としての謙虚性を望むほかない。

もう一度言う。皇位継承を論じる資格は、あくまで、皇室の永遠のために、自分の生命を棄てることができるか否かで決定される。この点において、吉川弘之なる人物は、皇位継承問題に関わってはならない、最悪の最不適者であった。

||||| ここまで引用 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

中川八洋は、10年前、保守系言論人の重鎮、(女性天皇・女系天皇を否認、小泉政権時代の皇室典範改正に反対する)小堀桂一郎をかく酷評した。

当時、小堀桂一郎は反論した形跡がないか、反論できなかった?ようである。

あの渡部昇一でさえも、中川八洋との共著「皇室消滅」(2006年刊)にて、質問を発するものの聞き役に回っていたほどだ。
日本一の蔵書量を誇り、博学であるはずの渡部昇一でさえ、皇位継承学の専門家であらんとする、15歳年下の中川八洋に対し、ムッとしながらも拝聴せざるを得なかったのではないか、と私はみている。

倉山満が、保守言論界の息苦しさを指摘しているのは、一つ目には、そのことを指しているのではないかと、推定する。

しかし、保守言論界の息苦しさは、それだけではなく、別の意味があるような気がする。潜在的にという意味である。

中川八洋は、安倍首相を酷評しつつ、実は間接的にある御方を批判していたのではないかと、推定する。

その御方は、生前譲位する意志を示された。摂政では困るということも語られた。また、心情的に、民進党の野田幹事長の方針(女性宮家)に近かった可能性もあった。同時期、民進党は、森友・加計事案に明け暮れ、特例法では女性宮家を付帯決議に盛り込まなければ、審議拒否すると宣言した。

この状況で政権が取り得た選択肢は
①皇室典範改正は不可なので特例法改正で対処
②政権と陛下が対立状態、陛下が民進党の主張に近い?ため、全会一致で対処
③従って、有識者会議は、全会一致しやすい前提でメンバーが選定され、かく特例法が編み出された

政権には、他の選択肢はない?

そして、中川八洋は、政権の処置を酷評した。

共産党小池晃書記局長は「特例法案は、国民が天皇陛下のお気持ちを理解し共感していることを立法理由にしているが、事実上、天皇の意思を退位の要件としているのではないか」と指摘し、菅官房長官は「国民が、天皇陛下のお気持ちを理解し、共感しているという現状は、お気持ちに対する国民の受け止めであり、天皇陛下のお言葉と直接関係するものではなく、憲法上の問題はない」と述べた。

政権は、逃れられない状況で、共産党の罠に嵌められた?

その御方は摂政配置を否定、政権は特例法での処置をやむを得ず選択
政権とその御方は一種の対立状態にあたため、その特例法について全会一致を選択せざるを得なくなった?

摂政配置を否定したのは、東宮を即位させるための口実であったとすれば、その御方自ら●●●●●の引き金を引いたことになる。


なお、渡部昇一、小堀桂一郎は、(中川八洋に言わせれば、専門家ではないかもしれないが)、摂政の配置で対処可能との見解を示していた。

―― 参考情報 ――――――――――

有識者会議で渡部昇一氏が意見陳述「安倍晋三首相は国民に『摂政』の意義を訴えよ」
http://www.sankei.com/politics/news/161114/plt1611140016-n1.html

東大名誉教授(日本思想史)・小堀桂一郎氏 「摂政の冊立が最善」
http://www.sankei.com/life/news/160716/lif1607160022-n1.html

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共産党小池晃書記局長の国会審議での言質の原因をつくったのは、誰なのか?

私の解釈では、その御方となる?のであるが、同時に、その御方の「無謬」について扱おうとしてこなかった、「保守言論界の長年に亘るしきたり」の問題を指摘せざるを得ない。

中川八洋は、その御方を批判する代わりに、政権を酷評したと解するのである。



最後に、拙ブログの説が当たっているのであれば、そのお立場の御方の「無謬」の問題について、過去の事例を参照する歴史家、研究者の存在を期待している(自分の実力では無理)が、文字通り命懸けでの研究発表となることが予想される?ことを指摘し、本稿を終える。

以上










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